カラスが頭の良い動物で、時に道具を利用することは一般に知られています。しかし、カラスは私たちが思うより、もっと賢いかもしれません。
カラスがさまざまな種類の道具の相対的な「価値」について、何らかの概念を持っていることを示唆する研究結果が発表されました。
カラスは特別な道具を安全に保管する
人間と同じように、カレドニアガラスも最も貴重な道具を扱うときは特に慎重になることが、セントアンドリュース大学とマックスプランク動物行動研究所の研究者らによる新しい研究で明らかにされました。この研究は、学術誌『eLife』(2021年12月21日)に掲載され、カラスはより基本的な道具よりも、比較的複雑で効率の良い採餌道具を将来の使用のために保管する傾向があることが明らかになりました。

カレドニアガラスは、木の穴などの隠れ家から獲物を取り出すために、さまざまな種類の道具を使うことで有名です。餌を取るときはしっかりとくちばしに道具を固定しますが、食べるときは道具を置く必要があります。このとき、カラスは誤って道具を落としたり、他のカラスに盗まれたりして、道具を紛失する危険性があります。
英国セント・アンドリュース大学生物学部の研究者たちは、以前の研究で、カラスが不要なときに道具を安全に保管しておくには、2つの「保管」戦略のうちの1つを用いることを明らかにしています。足元にしっかりと挟むか、近くの穴や樹皮の裏側に一時的に差し込むかのどちらかです。さて、カラスは特に貴重な道具を扱うときは、より慎重になるのでしょうか?

「私たちの多くは、新品の携帯電話に傷をつけたり、落としたり、なくしたりしないように気をつけます。しかし、画面にヒビが入った古い携帯電話を無造作に扱うことがあります」と、現在ドイツのマックス・プランク動物行動研究所に籍を置く筆者バーバラ・クランプは言います。
研究チームが長期にわたって調査した場所のひとつでは、カラスが2種類の棒状の道具を使っていました。複雑なフックのついた道具と、フックのついていない基本的な道具です。前者は比較的希少な植物から丹念に作られ、後者は林床から採取した小枝や葉柄を使うだけです。
「かぎ型の道具は入手コストが高いだけでなく、より効率的です」と、研究チームを率いるクリスチャン・ルッツは説明します。「採餌作業にもよりますが、カラスはこの道具を使って、フックのない一般的な道具を使った場合よりも最大で10倍も速く獲物を取り出すことができるのです」

この新しい研究で、研究者達はカレドニアガラスが、基本的なフックのない道具よりも、貴重なフックのある道具を使う場合、より安全に保管する傾向があることを発見しました。
「カラスが、より効率的で交換コストが高い道具をより慎重に扱っていることがわかり、とても刺激的でした。このことは、カラスがさまざまな種類の道具の相対的な『価値』について、何らかの認識を持っていることを示唆しています」と、研究共著者のジェームズ・セントクレアは述べています。
今回の研究は、動物がさまざまな種類の道具をどのように扱い、保管するかを調べた初めてのものであり、動物がこれらの道具にどれほどの価値を認めているかを測る画期的な方法となります。この方法は、私たちの近縁種であるチンパンジーを含む、道具を使用する他の動物の行動を調査する上で大きな可能性を持っています。
via: Crows keep special tools extra safe | Max Planck Institute of Animal Behavior (mpg.de)

カラスは賢いんじゃのぉ
ワシはしょっちゅう忘れ物をしてしまうぞぃ
メガネフクロウ教授の付け足しメモ

カラスの中でも、カレドニアガラスは特に賢くて有名なんじゃ
道具を使うだけではなく、自分で作ることができるんじゃ
本種は道具を自作し使用するカラスとして有名である。
地域によって使用する道具が異なっており、中央部のサラメアではククイノキの倒木内に潜むカミキリムシの幼虫を捕獲する際、ククイノキの葉柄を加工した棒を倒木の穴に差し込み、それに幼虫を噛みつかせて釣り上げる。ピックニングアという山では先端をかぎ状にした棒「フックツール」やパンダナスの葉柄を用いた「パンダナスツール」を使って穴に潜む昆虫を捕らえる。
硬いククイノキの実の中身を食べる際には、決められた木の股に実を置いて狙いを定め、下の岩に落として割る。
また、オックスフォード大学で飼育されている個体は針金の先を曲げてフック状にした道具を使用し、筒の中の餌を釣り上げることができる。
カレドニアガラス – Wikipedia
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