マーモセットは南米の熱帯雨林に生息する猿の仲間です。特に一般的なのがコモンマーモセットで、両耳の白い毛が可愛らしく、ペットとして人気があり、医学実験にも用いられることがあります。
今回、研究者たちは、アマゾンで新たなマーモセットを発見しました。

アマゾナス連邦大学のロドリゴ・コスタ・アラウージョ博士、トマス・フルベック博士らの研究チームはアマゾンでマーモセット亜科シルバーマーモセット属の新種を発見しました。
生物分類上、マーモセットは科の名前で、正確には特定の種を指すものではありません。この科にもいくつかの属があり、先に紹介したコモンマーモセットはコモンマーモセット属です。シルバーマーモセット属は樹液を主な食料としますが、昆虫やカエルなどの動物も食べます。

コスタ・アラウージョ博士、フルベク博士らは次のように語っています。
「アマゾンには世界で最も豊かな霊長類動物相が存在します。この地域には146の霊長類種と亜種がおり、世界の霊長類多様性の20%を占めています。それにもかかわらず、アマゾンの霊長類の多様性と分布はほとんど知られていないままであり、基本データの乏しさは、その保全に影響します。
この課題は、2,500kmに及ぶアマゾンの南端で、急速に森林破壊が進み、農地や牧草地へ変換されているところで特に深刻です。
シルバーマーモセット属は、この地域の固有種でほとんど知られていないため、研究および保護活動の優先事項です」
シュナイダーマーモセット(Mico schneideri)と名付けられたこの新種のマーモセットは、1995年から知られてはいましたが、スネトラーゲマーモセット(Mico emiliae)と誤同定されていたものです。

「シルバーマーモセット属の分類、分布、そして進化学的な不確かさは、スネトラーゲマーモセットに関するものが多くあります」と科学者たちは述べています。
「この種の毛皮の色は、この種と他の5つのシルバーマーモセット種を混同させ、1世紀にわたって研究者を困惑させてきました。これが分類と分布の正確さと多様性の評価を妨げていたのです」

Image credit: Rodrigo Costa-Araújo.
シュナイダーマーモセットは、ブラジルのマットグロッソ州にあるジュルエナ-テレスピレス間の流域の固有種です。北側は、西のジュルエナ川、東のテレスピレス川が合流する地点までに分布が限定されます。
南側の分布はあまり明確ではありませんが、ジュルエナ川とテレス・ピレス川の源流部まで広がっており、ルーカス・ド・リオベルデ市より南には広がっていません。
「森林破壊が進むアマゾンにおいて、霊長類の種の多様性と分布を明らかにすることは、科学に基づく保全活動に必要な第一歩です。アマゾンに生息する生物たちが、環境的に生息できなくなる前に、このような保全活動によって、この地域の生物多様性を支援したいと考えています」と著者たちは述べています。
シュナイダー・マーモセットの発見の論文は、学術誌『Scientific Reports』に掲載されました。
Reference: Scientists Discover New Species of Amazonian Marmoset | Biology | Sci-News.com、Common marmoset – Wikipedia、Marmoset – Wikipedia、Mico (genus) – Wikipedia

見た目はあまり違いがわからないが、こういった分類を整理することは意味があるんじゃな
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