残念なことに、動物が犯罪に巻き込まれてしまうことがあります。
それは人間が彼らを利用した場合もありますし、彼らが生存本能に従って行動した結果でもあります。
今回は、世界各地で起こった動物が関連する様々な事件をご紹介します。
このリストは以下のYouTube動画から抜粋したものです。
かなりのボリュームがあるため、前後編に分けて投稿します。
1. ブドウを食べてしまったゾウムシ

1587年、フランスでとても奇妙な裁判が行われました。なんと、被告は食欲旺盛な小さなゾウムシだったのです。
サンジュリアンという町では、ブドウ畑がゾウムシによって深刻な食害を受けていました。困った住人たちは、ゾウムシを裁判にかけることにしたのです。
ゾウムシ側の弁護士は、「神がこの地上にゾウムシを出現させたのであり、神が適切な栄養を与えずに創造するはずはない」と主張しました。これに対して検察側は、「ゾウムシは人間に従属するものである」と反論します。
この裁判は過去の教会裁判同様、飢えたゾウムシを罰するためというよりも、不安な時代の中で無法状態を恐れる民衆の心を和らげるためのものであったと考えられます。サンジュリアンの住人たちは、ゾウムシのために土地を提供すると提案しましたが、弁護人はそれではゾウムシの餌が足りないと言ってそれを拒否しました。
この裁判の結果は、裁判記録の最後のページが欠損しているため不明となっています。もしかすると、ゾウムシの復讐によって破壊されてしまったのかもしれません。
Bugs and Beasts Before the Law – The Public Domain Review
2. 暴れん坊のロバ
いくら犯罪を犯したとしても、動物が牢屋に入れられることはないと思いたいですが、実際はそうでもないようです。それも、これはつい最近の話なのです。

2008年、メキシコのチアパス州の警察は、ロバが男性の胸に噛みつき、別の男性を蹴ったため、ロバを逮捕しました。このロバは、通常酔っ払いが入るような独房に3日間収監され、飼い主が被害者の治療費と怪我で仕事を休んだ日数の給与を支払うまで釈放されませんでした。
シナー・ゴメス巡査は、「このあたりでは、犯罪を犯せば誰であろうと刑務所に入ることになる」と言っています。
3. 食いしん坊の8匹のロバ
ロバが刑務所に入れられたのはこれだけではありません。
インドのオライでは、刑務所の近くに植えられた1000ドル近い苗木をつまみ食いしたとして、8頭のロバが刑務所に入れられました。このロバたちは、食いしん坊だったために4日間も刑務所に入ることになってしまったのです。
ロバの飼い主は釈放の嘆願に行きましたが受け入れられず、ある政治家を説得して刑務所に同行してもらい、ロバから目を離さないという約束と引き換えに、ようやくロバたちは釈放されることになりました。

4. 花を食べたヤギ(とその飼い主)

同じように、インドではヤギも逮捕されています。
2016年、インドのジャナクプールで、治安判事の庭にあった花をむしゃむしゃと食べたヤギが飼い主と一緒に逮捕されました。結局、ヤギと飼い主は解放されたそうです。
Goat arrested in India for eating plants in judge’s garden (telegraph.co.uk)
5. 不審なハト
またもインドです。インドの警察はかなりの数の動物を逮捕しています。
2015年、パキスタンとの国境に近いマンワルという町で、警察がハトを拘束したことがあります。10代の少年が鳩の体に奇妙なメッセージを発見し、地元の警察署に持ち込んだのです。メッセージはウルドゥー語(パキスタンの国語)で書かれていたため、警察官はこの鳥がスパイである可能性を考え、保護することを決めました。
Pakistani ‘spy pigeon’ arrested in India – BBC News
インドとパキスタンは長年に渡り、対立関係が続いています。
6. 侵入したサル
今度は、インドから迷い込んだ動物をパキスタンの警察が保護しました。
パキスタンの警察は、バハワルプールの町を歩き回っていたサルを不法侵入の罪で捕らえ、拘束したのです。本件はハトの一件と関連があるのではとも推測されています。

結局、このサルは動物園に入れられ、果物の餌を食べながら好奇心旺盛な来園者を喜ばせています。
Plea to Pakistan to look after ‘arrested’ monkey – BBC News
7. 凶暴な泥棒サル
拘束されたすべてのサルが、このような甘い判決を受けたわけではありません。
2004年、インドのある都市が凶悪なサルによって恐怖のどん底に陥りました。このサルは、人々の家から食べ物を盗み、子供たちをレンガで脅し、歩行者のシャツのボタンを引きちぎり、人の数学の教科書や電卓まで盗みました。
そのため、動物園の一角にある”行儀の悪いサル専用の鉄格子付きの牢屋”に入れられることになったのです。小さな牢屋の外には「このサルたちはパンジャブ州のいろいろな都市で捕らえられた悪名高いサルたちです。近づくと危険です」と書かれていました。
8. 噛みつきサル

アメリカ・フロリダ州でも猿が逮捕されましたが、ムーキーという名のオマキザルは自宅で刑期を終えることができたそうです。
ムーキーはコンビニの駐車場で男性のすねを噛んだため、30日間の軟禁状態に置かれました。この拘束は、狂犬病のために攻撃的になっていた可能性があるため、検査を行う必要があったためです。結局、ムーキーは狂犬病ではなく、驚いて男性を噛んでしまったと考えられています。
拘束されたことで、ムーキーの20歳の誕生日パーティーは残念ながらキャンセルされましたが、ムーキーが解放されると、飼い主やその家族と一緒にお祝いすることができました。ムーキーの写真入りのケーキを分け合い、チーズピザを食べたそうです。飼い主は新聞社に対し、「ムーキーはペパロニが嫌いなんだ」と語ったそうです。
Mookie The Monkey Under House Arrest After Biting Man | HuffPost Weird News
9. 罵倒するオウム

ある不運なオウムは、物理的な暴力ではなく、言葉の暴力によって犯罪に加担することになりました。
2015年、インドのマハラシュトラ州の警察は、ハリヤルという名のオウムを逮捕しました。非常に声の大きいこの鳥は、ある老女を罵倒する習慣が身についていたのです。罵倒されていた老女は、継息子(ままむすこ。血のつながりのない息子)と財産争いの真っ最中でした。
継息子は二年をかけてオウムに汚い言葉を教え込み、老女が近くを通るたびに口汚く罵るよう訓練していたようです。彼らは警察署に呼び出され、オウムは拘留され、その後マハラシュトラ州の森林局に引き渡されました。
もしかすると、犬も食わないような親子喧嘩に巻き込まれるくらいなら、オウムにとっては良い結末だったのかもしれません。
10. 口が達者なオウム
オウムのしゃべる能力は、他にも悪用されています。
コロンビアのある麻薬カルテルは、ロレンソという名のオウムを見張り役として訓練しました。警察がカルテルの本拠地に近づくと、ロレンソは「逃げろ」と叫ぶのです。
2010年、ついに警察はロレンソが鳴きださないよう忍び込むことに成功し、麻薬や武器と一緒に、他の見張り役の鳥も発見しました。

11. 警戒する鳥
鳥のセキュリティシステムは、コロンビアに限ったことではありません。
2019年、ブラジルのヴィラ・イルマン・ドゥルセという地域に住む鳥は、警官が近づくと「ママ、警察だ!」と叫ぶよう訓練されていました。当局は麻薬密売所への襲撃中にこの鳥を発見しました。
忠実な見張り役が逮捕されてしまいましたが、飼い主は自分たちが密告されることを心配する必要はありません。捕獲後、この鳥は鳴きもしませんでした。
12. 殺人を目撃したオウム
2014年2月、殺人事件解決のカギは一羽の鳥が握ることになりました。
オウムのヒラは、ニーラム・シャルマが殺害された事件の唯一の目撃者になりました。ヒラが犯人の名前を言ったわけではありませんが、ニーラムの妻のヴィジェイは、甥が家を訪れたり、彼の名前を聞くたびに、ヒラが非常に興奮することに気づいたといいます。ビジェイがこのことを警察に話すと、甥は犯行を認めました。
しかし、悲しいことにヒラが事件解決に貢献したことが大々的に報道されることはありませんでした。警察がヒラの貢献を軽視していたためで、地元のニュースは彼の名前をオウムのエルキュールとして報じました。
後編はこちら。
reference: 25 Animals Involved in Crimes | Mental Floss

とんでもない事件ばかりじゃ!
インドの警察は動物に厳しいぞぃ
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