前編に引き続き、今回も動物が関連する様々な事件をご紹介します。
このリストは以下のYouTube動画から抜粋したものです。
まだ前編をご覧になっていなければ、ぜひこちらからお読みください。

13. 脱獄の共犯者
動物は犯罪の共犯者として利用される場合もあります。
2013年、ブラジルのアラピラカにある刑務所の門のあたりで、刑務官が白い猫がもぞもぞと動いているのを見つけました。受刑者が育てていたのでしょう。見慣れた猫でしたが、このときは何かがおかしかったのです。猫の体にはテープが巻かれています。よく見ると、テープにはノコギリやドリル、携帯電話、充電器、メモリーカード、電池、イヤホンなどが貼り付けられていました。

当局はこの猫を脱獄の共犯者にしようとした囚人を探しましたが、結局誰の仕業か判明せず、ネコは短期間拘留された後、動物保護施設に預けられることになりました。
Cat caught sneaking tools, phone into Brazilian prison – The Globe and Mail
14. 猫の運び屋
どこの国でも囚人が考えることは同じようです。ロシアでも似たような事件がありました。
2013年、シクティフカール近郊の刑務所で、フェンスの上に座っている猫のお腹にテープが巻かれていることに職員が気づきました。猫を捕獲すると、テープには携帯電話や充電器が貼り付けられていたそうです。
15. 殺人事件の解決に貢献した猫
猫は犯罪に加担させられるだけでなく、解決に手を貸すこともあります。
1989年、3週間前から行方不明になっていたペットショップ店員のロリ・オーカーが、遺体となって発見されました。警察は別居中の夫、ロバート・オーカーの捜査を開始します。
ロリの失踪の翌日、ロバートの父親は車を下取りに出していました。警察は複数の所有者を経て、最終的にその車を発見し、被害者が飼っていた二匹の猫と一致する毛を発見します。そして、同じ猫の毛が、ロリが消えた日にロバートがつけていた添え木からも発見されました。
その他の証拠もあり、ロバート・オーカーは1992年3月に殺人罪で有罪判決を受けることになりました。

猫の毛は何にでもくっついて掃除がやっかいですが、必ずしも悪いことばかりでないようです。
Lori Ann Auker disappears from a parking lot – HISTORY
16. 破壊的なビーバー

ビーバーは、快適な住処を造るため、小枝などを使って川をせき止め、大規模なダムを建設します。そのため、「森の建築家」と呼ばれることもありますが、彼らは造るだけでなく、破壊行為も行ってしまいました。

2016年12月、メリーランド州セントメリーズ郡にあるドルショップ(100円ショップのような店)に、野生のビーバーが出没しました。当然ビーバーは買い物のために来店したわけはなく、店内を歩き回り、物を地面に落としていきます。地元の保安官事務所は、この乱暴な常連客を逮捕し、その後、野生動物リハビリテーションセンターで保護されることになりました。
17. ハチミツ好きなクマ

2008年のマケドニアにて、養蜂のために置かれていた巣箱をたびたびクマが襲撃し、ハチミツを盗み出していきました。養蜂家は、この常習犯を追い払うためにセルビアの「ターボ・フォーク※」を流しましたが、音楽が止まると熊はやってきて盗み食いするのです。
ターボ・フォークは、旧ユーゴスラヴィア諸国で流行している音楽のジャンルです。伝統的な音楽の要素をダンスミュージックに取り入れています。
結局、養蜂家が訴えて裁判となりましたが、クマが出廷するわけもなく、最終的に窃盗と損害の罪で有罪となりました。この野生動物の所有者は誰もいなかったため、養蜂家が受けた3500ドル相当の損害を政府が支払うよう命じられました。
18. 車を破壊するクマ
クマにとっては、本物の車もおもちゃの車も、たいして変わらないかもしれません。
2017年、アメリカ・コロラド州のデュランゴで、クマがスバル車を破壊しました。クマは車の中に侵入すると、ハンドルを引きちぎり、ダッシュボードからラジオを抜き取り、リアウィンドウを壊し、車を自分専用のトイレとして使用しました。

そして、なぜかパーキングブレーキを解除してしまったようで、車は後方に下っていき、郵便受けといくつかの公共施設に激突しました。車や街に大きな損害を与えた後、凶悪な犯人は犯行現場から逃走していきました。
Bear breaks into SUV, then takes it for a short drive – The Durango Herald
19. 光るものが大好きなカラス
犯罪の物証を動物が盗んでしまう、というパターンもあります。
2016年、カナダ・バンクーバーで車が炎上しているとして警官が駆け付けたところ、ナイフを持った男と対峙することになりました。警官は犯人を撃ち、逮捕しました。しかし、犯人が落としたナイフを、燃えた車の上に座っていたカラスがくわえて飛び去ってしまったのです。
このカナックという名のカラスは、地元では愛されるトラブルメーカーとしてSNSを中心に評判になっていました。
Canuck and I | Facebook(カナックのフェイスブック)

警官が追いかけたところ、幸いにもカナックが証拠品のナイフを落としたため、証拠品は無事回収されました。
Did Canuck the crow swoop off with a knife from a Vancouver crime scene? | CBC News
20.21.22. 世界各地で靴を盗むキツネ
なぜか野生のキツネは靴を盗むのが大好きなようです。
2010年、ドイツのフェーレンという町でキツネが人々の靴を盗み、巣穴に隠していました。おそらく自分の子供たちのために、おもちゃとして持って帰っていたのではないかと言われています。
2018年5月、日本の長岡京市の警察署に、8世帯から「家の外に置いていた靴が消えた」という連絡が入りました。警戒巡回中の署員が、空き家の庭で巣穴と40足の靴を発見し、付近にキツネ2匹がいるのを目撃しました。さすがに日本の警察が窃盗犯のキツネを逮捕するということにはならず、靴などを屋外に置いたままにしないようにとビラを配りました。
2020年、ベルリンのツェーレンドルフという地区でも、キツネが100足以上の靴を盗んでいます。

多くの場合、キツネは盗んだ靴を自分の巣穴に持ち帰りますが、少し違ったパターンもあります。
2014年、イギリスのリーズに住む女性は、何カ月にもわたってキツネが自宅の裏庭に靴を集めており、一時は毎日新しい品物を持ってきていたと報告しました。彼女は家の外にシューズラックを設置し、近所の人が靴を取りに来られるようにしたそうです。

スリッパ窃盗犯はいたずらキツネ? 空き家に巣穴…「証拠」散乱|社会|地域のニュース|京都新聞 (kyoto-np.co.jp)、Fox behind Leeds footwear theft crimewave – BBC News
23. 下着泥棒の猫
近所の人に盗品を返すといえば、イギリスのサウサンプトンに住むある家族は、他人の下着を集めてしまうという厄介な事態に陥りました。
13歳になる猫のオスカーは、靴下やゴム手袋などに加え、子供用の下着10着を盗み出し、飼い主に自慢げにプレゼントしていました。

もっと凶悪な事が起こっているのではないかと周囲に疑われる心配をした飼い主は、オスカーを警察に通報しました。幸いにもオスカーが逮捕されることはなく、オスカーはそのまま飼われているそうです。
24. カモメの盗み食い

カモメのスティーブンは、何年も前からスコットランドのパン屋に入り込み、棚から商品を盗んでいます。1日に10回以上も店を訪れることもあります。スティーブンは特にチップスが好きで、ソルトビネガーのチップスの袋を器用にひったくる写真が話題になり、インターネットで有名になりました。
パン屋のスタッフは、警察は呼ばないと言っています。
A Scottish bakery is being terrorised by a seagull with a taste for crisps – BBC Three
25. 殺人事件の解決に貢献したバッタ
殺人事件を解決するカギとなったのは、野生のバッタでした。
1985年、アメリカ・テキサス州で女性が殺害されているのが発見されました。捜査当局は、事件現場からほとんど物的証拠を見つけることができませんでしたが、被害者の衣服の中から四肢が欠損したバッタが見つかりました。
その後、容疑者のズボンの裾に切断された昆虫の足が付着しているのが発見されます。この足が事件現場で見つかったバッタの体と切断面が一致したため、これが証拠となり容疑者は有罪になりました。
The Maggot Talks (nytimes.com)
前編はこちら。

reference: 25 Animals Involved in Crimes | Mental Floss

世界中でキツネが靴を盗んでいるという話はおもしろかったのぉ
調べてみると、靴が盗まれたという報告はもっとたくさん上がっておったぞ
コメント