自然界には、見る角度によって違った色に見える、いわゆる構造色を持つ動物が存在します。玉虫などの多くの昆虫だけでなく、鮮やかな羽の色のクジャクや、銀色に光るサンマなども実は構造色を持っています。
こうした構造色は美しいだけでなく、身を守るためにも役立っているようです。


『Animal Behaviour』誌に発表された新しい研究によると、一部の動物に見られる鮮やかな光沢や構造色が、擬似的な警告色として働いていること、そしてこの効果に重要なのは構造色の大きな特徴である色の変化であることが初めて明らかにされました。
ブリストル大学の研究チームは、構造色がなぜ様々な動物に現れるのか、なぜ捕食者対策として成功しているのかを、その生物学的機能に着目して調査しました。研究チームはこれまでに、構造色が非常に効果的なカモフラージュとして機能することを発見していますが、天敵に発見された後の防衛にも構造色が役立つのか、また役立つとするとどのような光学特性が重要であるのかはこれまでわかっていませんでした。
ブリストル大学生物科学部の主任研究員Karin Kjernsmo博士は、「このような高反射性構造色の機能を研究する際の課題の1つは、構造色の特徴である色の変化の効果と、単に複数の色を同時に持つことの効果を分離すること、さらに光沢の効果を分離することでした」と述べています。
彼らは、構造色の有無、そして光沢有無の4パターンの獲物を用意し、鳥がその獲物を攻撃する意志を見せるかどうかを検証しました。その結果、構造色は鳥の攻撃意欲を有意に低下させ、光沢もまた独立した効果を持つことがわかりました。
「今回、この2つの効果をそれぞれ単独で検証することに初めて成功し、構造色と光沢の両方が、発見された後でも動物を保護していることを示すことができました。このことは、構造色の適応的進化、および構造色が広範囲な動物に現れていることに対する説明になります」
reference: Beetle iridescence a deceptive form of warning coloration, study finds (phys.org)、Sternocera – Wikipedia、Buprestidae – Wikipedia、構造色 – Wikipedia

ちなみに、どのようにでも解釈できるという意味で使われる「玉虫色の」という表現は、玉虫が見る角度によって色が違って見えることに由来するらしいぞぃ
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