モスラのモデルにもなった巨大な蛾アトラス・モスの儚くも美しい8つの事実

動物紹介

アトラス・モス(Attacus atlas)は、巨大で美しい蛾の一種です。

日本には沖縄県の八重山諸島のみに生息するヨナグニサン(与那国島で初めて発見されたことに由来)という亜種が生息しており、モスラのモデルになったとも言われています。

今回はこのアトラス・モスに関する儚くも美しい事実をご紹介します。


アトラス・モスの蛹(さなぎ)と成虫

1. アトラス・モスは世界で二番目に大きな蛾

巨大な蛾の一種であるアトラス・モスは、アジア全域に生息し、中国、バングラデシュ、カンボジア、香港、インド、ラオス、マレーシア、ネパール、台湾に広く分布しています。

羽を広げると24cm以上、表面積は約160cm2にもなり、蛾の中ではヘラクレスサン(Coscinocera hercules)に次いで世界で二番目の大きさがあります。

ヘラクレスサン

2. 幼虫はよく食べ、大きく成長する

アトラス・モスの成長過程は、大きさ以外は他の蛾とそれほど変わりません。

葉の裏に産み付けられた2.5mmほどの小さな卵は、二週間ほどで孵化し、幼虫になります。生まれてすぐは卵の殻を食料にし、それから柑橘類、グアバ、シナモンなどの好物の葉を貪欲に食べて、蛹(さなぎ)へと成長する準備をします。

体長が11.5cmほどになると、乾燥した葉を織り込んだ7、8cmほどの繭(まゆ)を作り、約1ヵ月後には巨大な蛾となって出てきます。

Attacus atlas caterpillar

大英自然史博物館で蝶展示のマネージャーをしているルーク・ブラウン氏は、アトラス・モスの幼虫について次のように語っています。

「彼らはとてもよく食べるので、展示室内を自由に歩き回らせないようにしています。そうすることで、成虫が生きていくための脂肪を蓄えることができるのです。また、自由に食べさせていると展示する植物が無くなってしまうので、成長期には専用の餌場で飼育しています」

3. 幼虫は優れた防衛策を持っている

アトラス・モスの幼虫は優れた防衛策を持っています。

幼虫の体にはトゲのような突起があり、白いワックス状の被膜で覆われ、威圧的な外見をしています。また、アリやトカゲ、鳥などの捕食者に対しては、強力な臭いの分泌物を30cmも離れたところから噴射することもできます。

4. 成虫になると何も食べない

アトラス・モスの成虫は、退化した小さな口吻(こうふん)しか持たないため、食事をすることはありません。しかし、これは蛾の仲間ではごく一般的なことです。

そのため、一度繭から出て成虫になってからは、幼虫のときに蓄えたエネルギーだけで生活し、残された時間を繁殖相手を探して子孫を残すことだけに費やします。羽が大きなアトラス・モスは安定して飛ぶことができず、エネルギーも節約しなければならないため、遠くへは移動しません。

5. 羽の先がコブラの頭に見える

Largest Lepidoptera Known As ‘Atlas Moth’ Looks Like Snakes On Tree

アトラス・モスの羽の先はコブラの頭のように見えます。

アトラス・モスとコブラは同じ地域に生息しており、主な捕食者である鳥やトカゲにとってもコブラは脅威となりえます。そのため、このような擬態は生存のための適応である可能性が高く、アトラス・モスは捕食者に遭遇するとこの羽を動かして相手を威嚇します。

さらに、このヘビの頭は蛾の体の弱い部分から遠い場所にあるため、攻撃を受けた場合でも死なずにすむ可能性があるとも指摘されています。

6. 効率的なパートナー探し

アトラス・モスの成虫は食べることができず、1~2週間という非常に短い時間しか生きることができないため、効率よく交尾の相手を探す必要があります。エネルギーを節約するため、日中は休息し、移動のほとんどは夜間に行います。

メスは繭から出た場所から遠くへは動かず、腹部の先端にある分泌腺から強力なフェロモンを出して相手を誘います。オスは触角を使い、数キロメートル離れたところからでもこのフェロモンを感知することができます。

交尾をして受精すると、メスは幼虫が好む木の葉の裏に150個もの球状の卵を産みつけ、やがて死を迎えます。

7. アトラス・モスはギリシャ神話の神から名付けられた

アトラス・モスはその大きさから、ギリシャ神話に登場する巨躯の神、アトラースにちなんで名付けられました。香港では広東語で「蛇の頭の蛾」という意味の”蛇頭蛾”と呼ばれ、中国本土では「皇帝の様な蛾」を意味する、”皇蛾”とも呼ばれています。

8. アトラス・モスの繭(まゆ)から絹が採れる

台湾ではアトラス・モスの繭を、小さな小銭入れとして利用することがあります。また、インドの一部ではアトラス・モスの蛹(さなぎ)が作る絹を採るため、飼育が行われています。

近縁種のカイコ(Bombyx mori)が作る絹とは異なり、アトラスガの絹は糸が切れた状態で分泌されるため、現状では製品としてそれほど好まれてはいません。しかし、アトラス・モスの絹繊維はカイコと比較して細胞の密度と成長が約80%も高いという研究結果もあり、一般的な絹の代替品となる可能性はあります。

reference: 8 Amazing Facts About the Atlas Moth (treehugger.com)ヨナグニサン – WikipediaCoscinocera hercules – WikipediaAttacus atlas – Wikipedia

写真で見ると美しい蛾じゃが、もし森の中で会ったらきっと飛び上がってしまうぞぃ

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