現在、世界の多くの国は国民投票によって国の行く末を決定していますが、その歴史はそれほど古くはありません。世界初の男子普通選挙がフランスで行われたのが1792年で、今から約230年前になります。
新しい研究によると、人間界でも比較的最近取り入れられ始めたこの選挙という仕組みを、自然と獲得している鳥がいるそうです。
コクマルガラスがねぐら飛び立つタイミングは、鳴き声による合意形成によって決定される

新しい研究は、小型のカラスであるコクマルガラスに見られる驚くべき行動を明らかにしています。イギリスの研究者たちは、カラスたちが一晩休んだ後、いつ飛行するかを民主的に決定していることを発見しました。
人間以外の動物が合意形成を行っている、ということ自体は新しい発見ではありません。しかし、家族以上の大きな集団がこうした行動を行うことを示したのは、今回の研究が初めてになります。
移動のタイミングを決めることはとても重要です。大きな群れで飛び立つことで、鳥は捕食されることを回避することができ、良い餌のありかにたどり着く可能性が高くなります。
しかし、誰もが同じタイミングで飛び立ちたいわけではありません。そこで、コクマルガラスたちは飛び立つための合図として鳴き声をあげ始めます。年齢も性別も異なる鳥の群れは、十分な数の鳥が「そろそろ動くぞ」と判断すると一斉に飛び立つのです。
偽の鳴き声を使った実証実験

研究チームは、カラスたちが飛び立つタイミングを決定している方法を探るため、160羽から1,500羽までのさまざまな大きさの群れのねぐらで音声と映像を記録しました。そして、鳥が飛び立つ直前と直後の鳴き声の強さを数値化します。
ほとんどの場合、数百羽の鳥は4秒以内に一斉に飛び立ちました。また、最大のグループが飛び立つ約1時間前に鳥の鳴き声が強まることがわかりました。
研究者たちは因果関係を調べるため、録音したコクマルガラスの鳴き声を群れに向かって流します。その結果、音声がある場合は平均6.5分早く飛び立つことがわかりました。これは偽の鳴き声により、多くの鳥が「そろそろ出発しよう」という合意を得たと錯覚し、飛び立ったものだと考えられます。
研究者は、「コクマルガラスは鳴き声によって出発の意思を伝えることで、群れがねぐらから集団で出発するための合意手段を提供しているようです」と述べています。
研究共著者のアレックス・ソーントン氏は、こうした発見がコクマルガラスや他の野生動物を助けることに繋がると考えています。「野生動物に対する人間の影響が増していく中、人間の光や騒音などによる妨害が動物集団のコミュニケーション能力や合意形成能力にどのように影響を与えるかについて非常に興味をもっています」
この論文はCurrent Biology誌に掲載されました。
reference: Vocally mediated consensus decisions govern mass departures from jackdaw roosts: Current Biology (cell.com)、Jackdaws reach a consensus before taking flight • Earth.com、Jackdaw – Wikipedia

おもしろいのぉ
鳥はサルなどの群れとは違って明確なボスが決まっているようには見えんから、こうした方法で意思決定をしているんじゃな
コメント
I may need your help. I’ve been doing research on gate io recently, and I’ve tried a lot of different things. Later, I read your article, and I think your way of writing has given me some innovative ideas, thank you very much.