イルカがサンゴや海綿を薬として利用していることを示唆する研究結果

海獣

イルカはサンゴ礁を薬箱のような存在だと考えているのかもしれません。

研究者たちがエジプトの紅海北部でミナミハンドウイルカを調査したところ、イルカがサンゴや海綿に体をこすりつけている様子が目撃されました。

調査によって、これらの海洋生物には薬効があることが確認されたため、イルカは皮膚の治療のためにサンゴを利用している可能性が示唆されました。


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イルカの変わった行動

スイス・チューリッヒ大学の野生生物学者であるアンジェラ・ジルテナー氏は、「ハンドウイルカは、自己認識道具の使用(例えば、シャーク湾では海綿を使って採餌する様子が確認されている)、知識を次の世代に伝えるといった高度な認知能力を持っています」と言います。

アンジェラ・ジルテナー氏

2004年、ジルテナー氏が初めてエジプトの紅海北部でダイビングをした際、野生のミナミハンドウイルカがゴルゴニアンコーラル(ソフトコーラルと呼ばれるサンゴの一種)や海綿に体をこすりつけるのを目撃しました。その際、イルカはどのサンゴに擦り寄るかを選り好みしていることにも気づき、この行動の理由に興味を持ったといいます。

「イルカがゴルゴニアンコーラルに体をこすりつけると、粘液を分泌され、イルカの皮膚に付着します。イルカは後ろに並んで、サンゴに接近する順番を待っていたんです」

イルカがサンゴに体をこすりつける様子

サンゴと海綿の薬効は?

ドイツのユストゥス・リービッヒ大学ギーセンの教授で論文の筆頭著者であるゲルトルート・モーロック氏は、彼女のチームと共にサンゴと海綿のサンプルを分析しました。その結果、抗菌作用抗酸化作用ホルモン作用神経毒性などの活性を持つ17種類の代謝物を発見しました。

サンゴと海綿からこれらの薬効が確認されたことから、イルカは繰り返しサンゴの粘液を皮膚に付着させることで、マイクロバイオーム(体に共生する微生物)を調整し、感染症を治療するのに役立つと考えているのかもしれません。

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休息と体のケアを提供するサンゴ礁

サンゴ礁のイメージ

サンゴ礁はイルカにとって寝床であり、遊び場でもあるとジルトナー氏は言います。

「サンゴ礁はイルカにとってシェルターの役目を果たし、サメなどの捕食者から守ってくれます。夜間は深海で狩りをし、昼間はリーフで休息して肌をきれいにしているのです」

まるで、人間が夜寝る前や朝起きた後に身支度をしているようだと彼女は言います。

「なぜなら、イルカは特定のサンゴや海綿を選んで体の特定の部分をこすりつけているからです。1歳未満の敏感な子イルカではこのような行動は観察されておらず、代わりに大人たちがこすりつけている様子を見ているのです。私たちは、イルカが互いに学び合い、その知識を次の世代に伝えることを知っています」

イルカが皮膚の治療のためにサンゴや海綿を利用しているかどうかを確認するには、さらなる研究が必要です。ジルテナー氏は、こうした行動に対するさらなる研究が必要であると述べる一方、この発見はサンゴ礁保全の重要性を示すものである、と語っています。

この論文は「iScience」誌に掲載されています。

reference: Dolphins Use Corals as Medicine Cabinets (treehugger.com)Dolphins May Use Coral and Sponges as Skin Care Items | Smart News| Smithsonian Magazine

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