恐竜を研究する研究者たちは、恐竜にも”へそ”があったであろうと推測していましたが、今回、初めてその証拠が発見されました。
その証拠は、中国で発見された角竜類(トリケラトプスが有名)の仲間であるプシッタコサウルスの化石から発見されました。
この発見の詳細は、BMC Biology誌に掲載されています。
卵生生物の”へそ”
私たち人間のような胎生の哺乳類の場合、胎児期に母体と繋がっていた臍帯(さいたい)がとれた痕が”へそ”になります。しかし、恐竜は卵から生まれるはずです。そもそも、卵生の生物にも”へそ”があるのでしょうか?
爬虫類のような卵生生物の場合、卵の中にいる間、胚(孵化する前の赤ちゃん)の腹部は卵黄嚢(らんおうさい、黄身を包む袋のようなもの)と繋がっており、卵黄嚢は胚が成長するための栄養を提供しています。胚が卵から孵化する前、あるいは孵化する際、卵黄嚢やその他の膜から剥離して生じる痕が”へそ”、正確には臍孔(さいこう)と呼ばれるものになります。
プシッタコサウルスとは?

今回臍孔が発見された化石は、1億年から1億2200万年前のプシッタコサウルスという恐竜のものです。2002年に中国で発掘されたもので、仰向けに横たわっている状態で発見されました。
プシッタコサウルスは白亜紀初期に生息していた二足歩行の草食恐竜であり、体長1~2メートル程度と小型で、オウムのようなくちばしが特徴です。
画像処理技術を用いた調査
研究者たちは、化石をLSF(Laser-Stimulated Fluorescence)と呼ばれる画像処理技術を使用して鮮明化し、化石に刻まれた鱗、しわ、模様の一つ一つを分析することが可能になりました。
この研究に携わった恐竜古生物学者のフィル・ベル氏は、「本当に恐竜が立ち上がって歩き出すのでは、というほど生き生きとして見えます。皮膚の小さなシワや凹凸まで見えるんです」と述べています。

Photo: Bell et al. 2022
研究者たちは鮮明化した画像から、恐竜の臍孔があるであろう場所の皮膚と鱗の模様の変化をとらえ、臍孔を特定することができました。
臍孔付近の鱗は滑らかで、恐竜の正中線にも沿っていたことから傷の治癒痕ではないと判断しました。もし治癒痕であれば、再生組織が鱗の模様と矛盾するようになっているはずだからです。
また、大腿骨の長さと成長具合から、この標本は6~7歳で性成熟に近づいていたこともわかりました。
今回の発見は、6600万年前の新生代以前の非鳥類型の恐竜で、臍孔が確認された最初のケースになりましたが、すべての恐竜に臍孔があったかのかは継続した研究が必要になるようです。
reference: First Dinosaur Belly Button Discovered in Fossil From China | Smart News Science| Smithsonian Magazine、Some Non-Avian Dinosaurs Had ‘Belly Buttons,’ New Fossil Shows | Sci-News.com、Psittacosaurus – Wikipedia

卵から生まれてもへそがあるとは知らんかったぞぃ
ワシにもあるじゃろうか
コメント
こんにちは。armlockです。
恐竜にへそって⁉興味深い内容でした。
生物の進化の不思議を感じます。
これネタで使えますね(笑)
ありがとうございました。
おはようございます。
私も面白いなと思いました。
ぜひご友人にお話してみてください!