NFL(アメリカンフットボール)のチャンピオンを決める大会であるスーパーボウルはアメリカ国内で大変な人気があり、視聴率は40%を越えます。
そのスーパーボウルの中継中、クライズデールという馬が登場するCMが毎年恒例で放送されていますが、いったいどういった馬なのでしょうか?

クライズデールはスコットランドを起源とする輓馬(ばんば、車両やそりを引かせる馬)で、大型の馬の品種です。
アメリカでクライズデールが有名になったのは禁酒法が廃止された時です。
1933年、禁酒法廃止を記念し、アンハイザー・ブッシュ社(バドワイザーを生産する大手ビール製造会社)のCEOに息子からクライズデールが贈られました。そして、数千人が見守る中、禁酒法との戦いに尽力した知事やルーズベルト大統領のため、この馬が引く荷馬車がバドワイザーを届けたのです。

その後、アンハイザー・ブッシュ社はバドワイザー・クライズデールズというチームを作り、この馬をプロモーションやCMに使用するようになります。
1986年のスーパーボウルXXで初めてバドワイザー・クライズデールズが登場するCMが放送され、以降スーパーボウルにおける長年の伝統になっていきました。
では、実際にスーパーボウル中継で放送されたCMを見てみましょう。

クライズデールを飼育している厩舎の干し藁のなかに、首輪のついた犬が紛れ込んでいました。


犬は去り際、クライズデールと互いを見つめあいます。

ある日、馬の運搬車に犬が飛び乗ったところ、誤って閉じ込められてしまいました。

犬が付けていたリードが落ちているのを見つけた厩舎の男性は、犬がいなくなっていることに気が付きます。

運搬車が交差点で急ブレーキをかけた時、衝撃で荷台のドアが開くと、犬は道路へと飛び出しました。

一方、厩舎の男性は犬の行方を捜しています。


雨宿りをしながら駆け続けた犬は、ようやく厩舎の目前まで戻ってくることができました。

しかし、犬の背後からオオカミが現れ、絶体絶命の窮地に陥ります。


そこに聞こえてくる蹄の音。
彼を助けにやってきたのはクライズデールの集団でした。

恐れをなしたオオカミは退散していきます。

犬が振り返ると、そこには誇らしげに並ぶクライズデール達が立っていました。

朝方、厩舎の男性が外を見ると、あの犬がクライズデールを引き連れて帰ってきたのです。

そして、犬はクライズデール達と一緒に厩舎で暮らすようになるのでした。

動物の種類を越えた友情じゃ
感動じゃのう
また、バドワイザー・クライズデールズが登場するのはCMだけではなく、アメリカ各地の催しで行進を披露しています。



荷馬車にはダルメシアンの犬も乗ることになっておるぞ
昔、実際に荷馬車が配達に使われていた頃、ドライバーが配達のために建物の中に入っている間、荷物やチームを守るために乗せられていたんじゃ
今もその伝統が受け継がれているんじゃぞ
この記事は、2022年2月1日に投稿した内容を修正・再投稿したものです。
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