南米の小さなマゼランペンギンは自分の命を救ってくれた男性と再会するため、毎年ブラジルのビーチまで8,000kmを泳いでやってきます。
まるでおとぎ話のような話ですが、これは本当の話なのです。

これはジンジンというペンギンのお話です。彼は自分の命を救ってくれた人に再会するため、毎年このビーチへとやってきます。
このペンギンを救ったのはリオデジャネイロ郊外の島に住む70歳の漁師、ジョアン・ペレイラ・デ・スーザさんです。

ジョアンさんは地元の海岸で、小さなペンギンが岩の上で横たわっているのを見つけました。油まみれでほとんど動くこともできず、死にかけているようでした。
彼はペンギンの羽についた油を取り除き、毎日、魚を食べさせて体力をつけさせました。そして、そのペンギンを“ジンジン”と名付けたのです。

一週間もすると、ジンジンはすっかり元気を取り戻していました。ジョアンさんはジンジンをボートに乗せて近くの島まで連れて行き、そこで放してやりました。
しかし、その日の夕方、ジョアンさんは裏庭から聞き覚えのある鳴き声を聞きました。驚いたことに、ジンジンが戻ってきて彼を呼んでいたのです。

その後、ジンジンはジョアンさんのもとに11ヵ月間滞在しました。そして、新しい羽に衣替えした直後、突然姿を消してしまったのです。

それから数ヶ月経ったある日、ジョアンさんは裏庭から大きな音を聞きました。
そこにはジンジンがいて彼を待っていたのです。以来、毎年このようなことが繰り返されていますが、ジンジンがどこに行っているのかはわからないままです。

アルゼンチンやチリの海岸で繁殖しているのではないかと推測されますが、そうなると、往復8,000kmもの距離を移動して繁殖地からジョアンさんに会いに来ていることになります。
実際のところ、彼がどこに行くのかは誰にもわかりません。しかし、はっきりしているのは毎年彼はどこかへ行き、そして戻ってくるのです。自分の命を救ってくれた人と再会するために。

ジョアンさんはこう言います。
「私はこのペンギンを自分の子供のように愛しています。また、ペンギンも私のことを愛していると信じています。私以外の誰も彼に触れることはできません。触るとペシペシ叩かれます」

「彼は私の膝の上で寝て、シャワーを浴びさせ、イワシを食べさせることも許してくれます。抱き上げることもできます。誰もが彼は戻ってこないと言いましたが、それでも彼は毎年のように私を訪ねてきます」

「彼は6月に来て、2月に戻ります。年々、愛想が良くなっていきます。私に会えるのが嬉しいようです」

ジンジンはジョアンさんのことを仲間のペンギンだと思っているのかもしれません。彼を見つけると、犬のように尻尾を振って鳴き声を上げて喜びます。
通常、ペンギンはパートナーにとても忠実です。恐らく、ジンジンにとってジョアンさんは家族のような存在なのでしょう。

心温まる素晴らしいお話じゃったな
同じ鳥としてジョアンさんにはワシからもお礼を言わんといかんな
この記事は、2022年2月24日に投稿した内容を修正・再投稿したものです。
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