ビルマニシキヘビはヘビの最大種の一つで、その名のとおりミャンマー(旧ビルマ)を含む東南アジアに生息しています。
米国・フロリダでもペットとして持ち込まれた個体が湿地帯を中心に広がり、多くの固有種に多大な悪影響を与えています。
今回、フロリダで行われた研究と駆除を目的とした捕獲活動の中で、フロリダ史上最大のビルマニシキヘビが発見されました。
世界最大級のヘビ

発見されたメスのビルマニシキヘビは、体長5.4m、体重97kgで、これまでにフロリダ州で発見されていた最大の個体を13.6kgも上回っています。
ビルマニシキヘビはメスのほうが大型化する傾向があり、動物園で飼育されていた世界最大の個体も「ベイビー」という名のメスで、体長が5.74m、体重はなんと182.8kgもありました。
野生で発見され、信頼できるデータが残っているものとしては、今回フロリダで発見された個体は他種のヘビを合わせても世界最大級のサイズと言えます。
囮役
ビルマニシキヘビは1970年代にフロリダに持ち込まれ、特に南部地域で爆発的に個体数を増やし、現在では多くの在来の鳥や哺乳類、時にはワニやペットの犬まで捕食しています。
エバーグレーズ国立公園を含む広大な湿地帯や森に生息しており、フロリダ固有のヘビよりも大きいにもかかわらず、巧妙に隠れ家に潜むこのヘビを見つけるのは至難の業です。
そのため、この外来種を減らそうと活動する専門家たちは、オスのニシキヘビにGPSトラッカーを埋め込み、野生に送り込んでいます。なぜなら、たくさんの卵を産むメスは、しばしばオスのニシキヘビを捕食するからです。
フロリダ州魚類野生生物保護委員会の生物学者であるサラ・ファンク氏は、「繁殖力の強いメスのニシキヘビは多くの子孫を残すため、彼女たちを生態系から取り除くことが非常に重要です」と述べています。
フロリダの生態系を脅かしている

Photo: National Geographic
2021年12月、このときの捕獲作戦で囮役となったのは、ディオンと呼ばれる体長3.7mのオスのニシキヘビでした。
捕獲チームは、ディオンがエバーグレーズ西部のある場所に長時間留まっていることに気が付きました。そして、すぐに現場に急行すると激しい組み合いを繰り広げ、見事巨大なメスのビルマニシキヘビを捕らえることができたのです。一方、ディオンは一命をとりとめ、現在も保護区内で潜入捜査の任務を続けています。
研究施設に運ばれたヘビは安楽死後に解剖され、体内からは122個もの卵が見つかり、これも記録的な数になりました。また、消化管からは毛皮の切れ端、溶けた骨、ひづめの塊などが見つかり、このニシキヘビが最後に食べたのはオジロジカの成獣であることが確認されました。

Photo: National Geographic
過去に行われた同様の解剖によると、ビルマニシキヘビはフロリダ州で推定24種の哺乳類、47種の鳥類、2種の爬虫類を捕食していることがわかっています。
生態学者のクリステン・ハート氏は、「これらのニシキヘビには生態系を完全に変える能力があり、おそらくすでに変えてしまっていると言えるでしょう」と語っています。
実際、フロリダ州のビルマニシキヘビが定着した地域では野生動物の目撃回数が激減しており、アライグマ99.3%、オポッサム98.9%、オジロジカ94.1%の減少となっています。また、ボブキャットは個体数が87.3%減少しているそうです。
reference: Largest python ever found in Florida is 18 feet long and weighs a whopping 200 pounds | Live Science、Florida’s largest-ever python has been found. Here’s the untold story of its discovery. (nationalgeographic.com)、Burmese python – Wikipedia、List of largest snakes – Wikipedia

すごい大きさじゃ
鹿まで一飲みにするとはなんとも恐ろしいぞぃ
コメント