メキシコの市長がこの地に古くから伝わる儀式の一環として、”リトル・プリンセス”と名付けられたワニと結婚式を挙げました。
この奇妙な結婚の儀式は国外メディアでも取り上げられ、話題となっています。
7歳のカイマンワニ

サンペドロ・ウアメルラ市のウーゴ・ソーサ市長によるワニとの結婚式は、この町の住民に繁栄と幸運をもたらすものだと伝えられています。
参列者たちは、町中を行進しながら7歳のカイマンワニの花嫁を式場へと運びます。ワニに対するこうした行為は、この地方の伝統に基づいたもので、幼いワニは母なる大地を象徴する女神であると信じられているのです。

結婚式では花嫁の”リトル・プリンセス”に花嫁衣裳が着せられ、住民たちは伝統的な音楽に合わせて踊り、市長は花嫁に誓いのキスをします。
この結婚式を取り仕切るのは”ゴッドマザー”に選ばれたエリア・エディット・アギラールさんで、彼女はこの結婚式は自分のルーツに誇りを与えてくれると述べています。
コロンブス以前の伝統

過去には、2015年にサンペドロ・フアメルル市長だったジョエル・バズエクズ・ロハス氏とワニとの結婚式が行われています。
こうした伝統は、コロンブスによるアメリカ大陸発見以前、メキシコ先住民族たちが古来の神々を崇拝していた時代に遡ります。今でも残る一部の宗教的な儀礼は、ヨーロッパ人によって植民地化が進められる中で伝えられたカトリックの教えに先行するものです。
今回の結婚式は、先住民族であるチョンタル族とウアベ族に由来する慣習である可能性が高いと伝えられています。
結婚式の様子
実際の結婚式の様子は、以下の動画で見ることができます。

ウーゴ・ソーサ市長
「私は妻を迎えるために身だしなみを整えなければなりません。特定の条件を満たす必要があるんです。私たちは自然に対して、十分な雨、十分な食料、川に魚がいることを求めます。ウアメルラの人々が苦しむことがないよう、愛を持ってお願いするのです」

“ゴッドマザー”エリア・エディット・アギラールさん
「私はゴッドマザーに選ばれた日から、彼女に何を着せようかと考えていました。私たちチョンタル族にとって、これは最も重要なお祭りなのです。ゴッドマザーになるのはとても名誉なことで、できる人はごくわずかです。私は自分のルーツとこの美しい伝統を誇りに思います」

花嫁の飼育を担当していた女性
「最初は赤ちゃんですから、餌を与えなければなりません。彼女は鶏肉、(鶏以外の)肉、魚、何でも食べます。最初は8日おきに食べていましたが、今では週に2回食べています」

我々の目からは変わった儀式に見えるが、それは見慣れているかどうかのような気もするのぉ
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