一匹の赤ちゃんの死を悼み、抱き合って慰め合う猿たち(動画)

サル

ラングールは、アジアに生息する細身の体が特徴の猿の仲間です。彼らの群れが、地面に横たわる小さな赤ちゃんを囲み、悲しげに抱き合いながら慰めあっています。

動物行動学の専門家でなくても、このシーンで何が起こっているのかがわかるはずです。この事例からもわかるように、死者を悼むのは人間だけではないようなのです。


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このラングールの群れは、スパイ・モンキーを自分たちの仲間と認めてくれました。

ある母親はベビーシッターを買って出るのですが…

誤って赤ちゃんを落としてしまいました

一匹のラングールは、赤ちゃんが怪我をしてしまったのではないかと心配そうに抱きしめます。

どうやら群れは赤ちゃんが死んでしまったと考えているようです。

そして、信じられないようなことが起こります。

ラングールたちは次々に赤ちゃんのもとを訪れ、その死を悼むような行動を見せたのです。

皆、抱き合って慰め合い、群れ全体を悲しみが覆っているようです。

動物のこうした感情表現はそれほど見られるものではありません。

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死者を悼む猿たち

ハマヌンラングール

この映像は「スパイ・イン・ザ・ワイルド」という番組のスタッフが、ラングールの群れを撮影するため、カメラを内蔵したスパイ・モンキーを仕込んだ際に撮影されたものです。

霊長類が仲間の死を悲しむのは、最近になって観察されるようになった現象ではありません。研究により、多くの異なる種の霊長類が悲しみの兆候を示すことが分かっています。

また、仲間の喪失を経験すると”うつ”状態に陥るケースも見られるようです。最も極端な例としては、1972年に著名な霊長類学者のジェーン・グドール氏が記録したチンパンジー家族の記録があります。

フローという名前のメスのチンパンジーが死んだとき、それまで母親に強く依存していた息子のフリントが”うつ”病の症状を見せ始めたのです。フリントは社会的な交流に参加しなくなり、食事も拒否するようになりました。やがて免疫系が崩壊してしまい、母親の死後1カ月で死亡してしまったのです

死者に対する様々な行動

新世界ザルに関する研究では、彼らは悲しむだけでなく、群れの中で死に瀕しているメンバーを気遣う様子も観察されています。

コモンマーモセット

あるメスのマーモセット(南米に生息する猿の仲間)が木から落ち、地面に埋まっていた何かに頭を打ち付けて瀕死の状態に陥りました。3年半ほどペアを組んでいたオスのマーモセットは、彼女が2時間後に死ぬまでの間、他のマーモセットから彼女を守り続けたのです。

ニホンザルやホエザルなど特定の霊長類でも、倒れた群れのメンバーのために警戒をする様子が目撃されています。こうした行動は最長で5日間続くこともあります。

また、見張るだけでなく、亡くなった幼児を抱え続ける母親の行動が観察されることもあります。しかし、こうした行動は、母親が自分の子供が死んだことを正確に認識しているかどうか議論のあるところではあります。彼女たちは死者を逆さまにしたり、床を引きずったりと、普通では考えられない方法で運ぶことがあるからです。

2017年には、ザンビアのチムフンシ野生動物孤児院トラストで、チンパンジーが簡単な道具を使って死んだ仲間の歯を掃除している様子が観察されました。チンパンジーが生前に歯をきれいにすることは知られていますが、死者に対する儀式として行われるのが確認されたのは初めてのことです。

シシオザル

こうした猿たちの行動を人間も理解するようになっており、2018年、スコットランド・ダンディーにあるキャンパーダウン野生動物センターが、シシオザルの群れが一匹の子供を失った際、群れに追悼の時間を設けるため、1週間弱の間、施設を閉鎖したのです

霊長類が「死者への敬意」をどの程度持っているのかは、種によって様々であるようで、研究自体もまだ十分ではないかもしれません。しかし、彼らが死というものに対して特別な感情を持っていることは明らかなようです。

reference: A funeral for a spy monkey | BBC Earth

ゾウも死者を悼む行動をとることが観察されておるようじゃ

ある程度知能が発達した動物は、死というものを認識できるようになるのじゃろう

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