スクールボートに乗る子供たちが、海で溺れている小さなネコを発見しました。船長と子供たちによってネコは救出されましたが、実はそのネコは希少なヤマネコの子供だったのです。
通学中の救出劇
ブラジル・サンパウロ州に、本土に沿って細長く伸びるイーリャ・コンプリーダ島があります。
2022年6月28日の朝、子供たちはいつものとおり、島の南側にあるボケイラン・スルと中央部のペドリーニャスの間を運行するスクールバスならぬスクールボートに乗って通学をしていました。

その途中、子供達が海の中で溺れてもがく小さなネコを発見したのです。
そのネコは泳いではいましたが、疲れ切っていて水面に留まるのが困難な状況に見えました。その様子を見た船長のジャン・クロード・メンデスさんはすぐにボートを操縦し、ボートをネコに近づけます。

そして、ジャンさんは子どもたちの助けを借りながら体を乗り出し、ネコに向かってオールを差し出します。すぐにネコがオールを掴んだのを見て、船長はオールを引き、無事ネコを甲板の上に救出することができました。
救助された子ネコは怪我をしている様子もなかったため、泳いでいた場所に近い土手に放されたそうです。
ジャガー?オセロット?

当初、船内にいた誰もがジャガーの子供だと思ったそうですが、実はこのネコはオセロットという希少なヤマネコの子供でした。
船長のジャンさんは今でもジャガーだったと思っているそうです。動画を投稿したイーリャ・コンプリーダ市の担当者も、「たしかにこの年齢ではそれらを見分けるのは難しい」と書いていますが、このネコの模様は確かにオセロットだったということです。
オセロットはアメリカ大陸に生息するヤマネコの一種で、大人になると体重が9~16kgほどになります。一般的なイエネコが3~5kg程度ですので、かなり大きなネコであることがわかります。ちなみに、大人のオスのジャガーは90kgを越えます。
本来、オセロットはネコ科の動物としては珍しく泳ぐのが得意なのですが、救出された場所は岸から遠すぎ、子ネコの体力では渡り切れなかったのかもしれません。
また、オセロットは生息地の減少や、毛皮やペット売買を目的とした乱獲によって急速に生息数を減らしており、現在では多くの国で絶滅危惧種に指定されています。
正しい行動
オセロットを救出したジャンさんは、「救出できてよかった」と充実した表情でインタビューに答えています。「彼女は必死で泳いでいました。パドルを差し出すのを子供たちが手伝ってくれましたし、彼女を救出できたのは本当によかったです」
この地域の環境保全警察は、船長の行動は正しかったと言います。アウグスト巡査部長はオセロットの救出劇について、「この地域はオセロットの自然な生息地であり、怪我をしていなかったことから同じ場所に戻すことが重要でした」と述べています。
ペンギンSOS・イーリャ・コンプリーダの会長であるクリスチャン・ナグラオ氏も、動物と自然を守った行動を称賛しています。「船長も子供たちも素晴らしい対応でした。あの子ネコは母親を見つけることができたと思いますが、私たちはこの件を追跡調査し、この地域で異変があれば行動します」と述べています。
船長と子供たちが希少な幼いオセロットを救った様子は、以下の動画で見ることができます。
reference: Kids on School Boat Help Rescue Drowning Ocelot Cub (reshareworthy.com)、Ocelot – Wikipedia

船長も子供たちも素晴らしい行動じゃったな
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