ハクトウワシの巣を映すライブカメラが驚くべき出来事を捉えました。なんと、親鳥が自分のヒナの餌にするために運んできたはずのタカのヒナが、そのままワシの巣の中で育てられることになったのです。
ワシ、タカ、ハヤブサの違い
先にワシとタカの区別について説明しておきます。
ワシとタカは同じタカ科に属する鳥で、明確な区別はありません。比較的大きなものをワシ、小さなものをタカと呼んでいます。そして、ハヤブサはハヤブサ科に属する鳥で、タカ科の鳥とは明確に種が異なります。
連れ去られたヒナ

自然が時に残酷であることは否定できませんが、それでも人類が見習うべき優しさと包容力を示すこともあります。
カナダのガブリオラ島に住むパム・マッカートニーさんは、野生動物保護団体Growlsのボランティアをしています。
ハクトウワシの親子をライブストリーミングで監視していた彼女は、ある光景に目を奪われました。それは、2羽のヒナのうち1羽を亡くしたばかりの母ワシが、タカのヒナを巣に連れ帰ったことから始まりました。

タカのヒナにとっては、突然ライオンの檻の中に閉じ込められたようなものです。しかし、ワシたちの行動は意外なものでした。ワシの母子はヒナを食べるのではなく、そのヒナを世話し始めたのです。
パムさんは次のように回想します。
「母ワシがタカのヒナを巣に落とすと、すぐにヒナは生き返ったんです。それでワシのヒナは、『ママ、いったい何なの?これは何?どうして動いているの?』という感じでした」

さらに驚くべきことに、タカのヒナは餌を求めて鳴き始め、それに母ワシも応えたのです。母ワシは自分の子供と同じように、タカのヒナにも餌をやるようになりました。そして、父ワシが戻ってくると、まるで自分の子どものように餌を与えたのです。
その日のうちに、彼らは新しい家族を形成することになりました。
アカオノスリ

モントリオールにあるマギル大学の名誉教授で、鳥類学者のデイヴィッド・バード氏は、「このヒナは、ハクトウワシに捕食されたアカオノスリ※の巣から来た可能性が高い」と指摘します。
アカオノスリは北米に生息するタカです。YouTube動画の説明欄には、ハヤブサのヒナではないかとありますが、どちらが正しいかは不明です。
また、ワシが他の種のヒナを養子にするのは極めてまれなことだといいます。実際、彼はこのヒナが母ワシの鋭い爪で掴まれても生き残れたことに驚いたそうです。
「私は自分の手でタカのヒナを持ったことがあります。ヒナはすぐに飛び上がって餌をねだり始めるんです。それで今回は命拾いしたのでしょう」
デイヴィッドさんは、この珍しい行為がカメラに収められたという事実が信じられないといいます。実際、このようなことが起こったのは他に1件しか記録されていません。
「私が生きている間にこうした行為を見ることになるとは思っていませんでした。それくらい珍しいことなんです」
彼らは美しく、私たちも美しい

Photo: Pam McCartney
パムさんは、この新しい家族の様子をとても楽しんで見ています。そして、彼らは仲良くやっているようです。
「彼らは私たちと似ています。私たちは、皆が型通りというわけではありませんし、姿も違っています。それでも、彼らは美しく、私たちも美しいんです」
パムさんの言うように、私たちは母なる自然の営みから多くを学ぶことができるはずです。
この奇跡的な家族の様子は、以下の動画で見ることができます。
YouTubeのコメント抜粋
- ワシが無傷でヒナを巣に運んだことも驚きです!ワシがヒナをさらったとき、どうしてヒナの体に爪が刺さらなかったのだろう?
→(投稿者の回答)タカのヒナは2日ほど足を引きずっていたようですが、すぐに治りました。 - これはすごい!猛禽類の母性本能がどのように引き継がれたのか、とても興味深いです
- このヒナはディナーになる可能性もあったのに、なんとも信じられません。そして、なんと幸運なことでしょう。自然はまた私たちを驚かせてくれます
- ママの素敵な心💕🦅
- 素敵な家族になりましたね✨
- 私がもし敵に捕まったら、すぐに餌をねだるつもりです!もしかしたら養子になれる可能性があります😊
reference: An eagle snatched a baby hawk for dinner, then ended up adopting it | CBC Radio、When Dinner Becomes Family: Eagle Has Change Of Heart After “Chicknapping” Baby Hawk. (inspiremore.com)

ワシがタカを育てるとは…
すんなり受け入れたオスのワシも寛容じゃったな
コメント
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