これは、ある病気の犬が道端で拾われ、心ある獣医に出会い、フェイスブックのコミュニティに支えられながら再生の道を歩く感動の物語です。
一本の電話

2016年1月29日、獣医のアンディ・マティス氏は営業時間を終えようかという時間に一本の電話を受けました。その内容は、「未舗装の道路でひどい状態の犬を見つけたが、どうすればよいか?」というものでした。
獣医といえど、すべての野良犬を治療する余裕はありません。彼は少しイライラする気持ちもありましたが、「その子を私のところに連れてきてください」と答えました。その犬の状態を確認できれば、どんな選択ができるかを判断できると思ったからです。

そうして連れてこられたメスのピットブル犬は、とてもひどい状態でした。栄養不良によって痩せこけ、貧血、脱水、低体温、膣脱(ちつだつ)による排尿不能と、様々な問題を抱えていました。
動物保護施設はありますが、そこは保護施設というよりも動物管理を目的としており、動物から人や財産を守るためのものです。ピットブルの里親募集はしていませんし、医療ケアは不十分です。ですから、彼女を施設に送るというなら、人道的に安楽死させるべきだと彼は考えていました。
フェイスブック・コミュニティ
正直、彼女の状態は彼一人の手に負えるものではありませんでした。大きな動物病院へ連れていく必要があるでしょう。悩んだ彼はフェイスブックの友人たちに相談をします。
本来であれば、この犬は安楽死させるべきかもしれないが、獣医師として彼女にチャンスを与えたい思っていると彼は言いました。友人たちは、彼に「やってみるべきだ」と勧めます。もし彼女がまだ生きる意志を持っているのであれば、自分たちも協力すると申し出たのです。
彼らの助言もあり、マティス氏は彼女を動物病院へ連れていって手術を受けさせました。彼女が手術を受けている間、彼はフェイスブックを開きます。すると、フェイスブックの仲間たちが、彼女のために資金調達をしてくれていたのです。そして、「誰であれ、名前も無いまま亡くなるべきではない」といい、彼女に”グレイシー・クレア”という名前が付けられました。

一方、病院での手術は成功し、彼女の命は助かりました。マティス氏は、「グレイシー・クレアのためにバスを走らせたのは私かもしれませんが、バスの燃料を入れたのは彼らです。 そのことに私は感謝しています。きっと彼女も同じはずです」と感謝を述べています。
彼女と一緒に食事をとる

二日間を病院で過ごした後、マティス氏は自分の事務所にグレイシーを引き取ります。しかし、手術から目覚めた彼女はひどく怯えており、食事をとることを拒否したのです。
そのため、彼は犬小屋の中に入って、同じ動物用の器で彼女と一緒に食事をとることにしました。最初はマティス氏の様子を伺っていたグレイシーでしたが、次第に自分の餌を食べるようになっていったのです。
この様子を撮影した動画をフェイスブックに投稿したところ、800万回以上再生され、彼女のために多くの支援が行われました。その後、彼女は順調に回復し、標準的な体重を取り戻すようになりました。


そして、あの動画を投稿してから一年が経ったことを記念して、二人でディナーを楽しむ様子を公開したのです。

マティス氏はいずれ彼女を養子に出すことも考えていたそうですが、病気や行動的な問題があるため、一般の家庭に里親に出すことは難しく、今も彼が面倒をみています。
そして彼は、グレイシーの物語を伝える動画の中で次のように述べています。
「何千ものグレイシーのような犬が家族を待っています。彼らに愛を示し、あなたの時間をぜひボランティアに。そうすれば、彼らも花を咲かせることができるのです」

彼女の経緯を知らせる動画には手術のシーンなどがあって年齢制限がかけられているため、YouTubeでのみ観ることができます。興味のある方はこちらからどうぞ。
YouTubeのコメント抜粋
- このような素晴らしい獣医さんに診てもらえるなら、ジョージア州に引っ越してもいいと思っています
- この映像は私の心をとても幸せにしてくれます!
- あなたは素晴らしい人です。そして、グレイシーはとても美しい女性です
- アンディ先生…私の心に深く響きました。本当に涙が止まりません
- 信じられない!ありがとうございます💕💕💕
- 美しい女性と素敵なパパ。最高のエンディングです
- 胸キュン💜
reference: Vet Helps Terrified Rescue Dog Come Out Of Her Shell By Sharing A Meal With Her. (inspiremore.com)

元気になって良かったのぉ!
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