皆さん、ミステリーサークルはご存知でしょうか?
ミステリーサークルとは、作物が円状に倒され、上から見ると何かの模様のように見えるものです。日本でも過去にブームがありましたが、ミステリーサークルを作ったと告白する人物が現れ、人々の関心も薄れていきました。
しかし、本当にすべてのミステリーサークルが人間によるものなのでしょうか?今、改めて考えてみましょう。
ミステリーサークルは実在する
ミステリーサークルは驚くべき芸術作品です。
宇宙人の仕業だと考える人もいますが、それとは逆の証拠もたくさんあります。確かなことは、ミステリーサークルは画像加工的な作り物ではなく、実際に存在するものだということです。
ミステリーサークルは世界中の国に存在し、過去40年間に何千個も記録されています。1970年代後半にコリン・アンドリュース氏が「crop circle(日本語ではミステリーサークル)」という言葉を作りました。

現代のミステリーサークルには幾何学模様が取り入れられている

最も基本的なミステリーサークルは、畑の作物が円形に折り曲げられたものです。
70年代から80年代にかけてのミステリーサークルのデザインはとてもシンプルなものでしたが、最近ではより複雑なデザインのものが現れています。
最近よく見られるのが、幾何学模様が使われたミステリーサークルです。幾何学模様とは、円や三角形などの基本的な図形を複雑に組み合わせた模様のことで、美しく、対称的なデザインが生まれます。また、フラクタル構造(一部が全体と自己相似する構造を持った図形)もよく使われています。

ミステリーサークルは巨大なことも
最初に観測されたミステリーサークルは、わずか数十フィート(1フィート≒0.3メートル)の大きさでした。しかし、現代のミステリーサークルは、数百フィートにも及ぶことがあります。
作物は通常、平らで均質な場所で栽培されるため、巨大な芸術作品の素晴らしいキャンバスとなります。2010年には、長さ約600フィート(約180メートル)の巨大なクラゲを作った人がいます。

ミステリーサークルには非常に複雑なものもある
2002年に登場した有名なミステリーサークルには、円盤を持ったエイリアンが描かれています。
この円盤には暗号化された情報が入っており、科学者たちが解読した結果、その中には「偽りの贈り物と破られた約束の持ち主に気をつけろ」という言葉や、その他のフレーズが埋め込まれていました。

ミステリーサークルはどのように作られるのか?
さて、ここからはお待ちかねの話題です。
ミステリーサークルがたしかに存在し、巨大で複雑で美しいことは誰もが認めるところですが、ミステリーサークルがどのようにして作られたのかについては意見が分かれるところです。
人間のいたずら?異常気象?宇宙人の仕業?それぞれの主張を確認してみましょう。

人間がミステリーサークルを作る
ミステリーサークルは1970年代後半から頻繁に出現するようになりました。
有名なところでは、デイブ・チョーリー氏とダグ・バウアー氏が70年代から80年代にかけ、イングランド南西部で多くのミステリーサークルを作ったと認めています。彼らはイングランド各地に200以上のミステリーサークルを作りました。
また、彼らの作品に触発され、多くの人々がイングランド各地で、そして世界中でミステリーサークル制作に挑戦しました。
彼らがミステリーサークルを作るために使った手法は実にローテクなものでした。彼らが使ったのは、ロープと木の板、そして賢い頭脳だけです。
ロープを中心点に置き、木片を使って農作物を倒していくというもので、作品ができあがると、トラクターの車輪の跡から農地の外に出ます。こうすることで、怪しい痕跡を残さないようにすることができます。
企業がミステリーサークルをマーケティングに活用

ミステリーサークルを作っているのは、いたずら好きな人たちだけではありません。
近年では、半導体メーカーのNVIDIAがコンピュータチップを模したミステリーサークルを作りました。最初は自分たちが作ったものだと明かさず、このミステリーサークルは多くのメディアで取り上げられました。そして、しばらくするとNVIDIAは自分たちによるものだと明かし、さらに広く報道されることになったのです。
機知に富んだマーケティングチームは、ミステリーサークルにまつわる関心を利用して低予算で効果的な広告効果を生み出しました。
同様に、2012年のロンドンオリンピックでは広告のため、五輪マークのミステリーサークルが作成されました。
異常気象が原因かもしれない
過去には、異常気象がミステリーサークルの原因であるという説もありました。
今日のような複雑なミステリーサークルができる前、気象学者のテラス・ミーデン氏は、畑の上に竜巻が発生したのではないかと考えました。竜巻の強い気流が穀物を一方向に押し曲げ、円盤のような模様を作り出したというのです。
しかし、この異常気象説は、複雑なミステリーサークルが登場した現在ではほとんど支持する人はいません。
宇宙人が関与していると主張する人たち
すべてのミステリーサークルが、人間によって作られたものではないと考える人たちもいます。
彼らは、いくつかのミステリーサークルがチョーリー氏やバウワー氏のようなアーティストによって作られたことに同意する一方、いくつかのミステリーサークルは人間が作ったにしては完璧すぎるのではないかと考えています。
つまり、地球外から来た知的生命体によるものだというのです。
宇宙人がミステリーサークルを作ったと信じる人たちをクロッピー(croppies)と呼びます。クロッピーたちは、人間のミステリーサークル製作者たちは、本物のミステリーサークルに隠された宇宙人のメッセージから目を逸らさせるために働いていると考えているのです。
初期のミステリーサークル

ミステリーサークルに宇宙人が関与しているという考えは、初期のミステリーサークルが現れた頃に提唱されました。
その頃のミステリーサークルは単純な円形の模様だったことから、これらはUFOの発着場だと考えたのです。伝統的なUFOは空飛ぶ円盤のような形状とされていたため、もし、このUFOが農地に着陸したとすると、初期のミステリーサークルのような単純な円形を作るでしょう。
クロッピーはどんな証拠を持っているのか?
宇宙人説擁護派は多くの説を提案しています。
ある人は、ミステリーサークルは宇宙人のいたずら書きであり、私たちの「平らな地球」の向こう側から送られてきたものだといいます。
また、ミステリーサークルは宇宙人からの暗号化されたメッセージであると考える人もいます。これらの宇宙人は、人間たちが怖がるので直接近づかないようにしているそうです。宇宙人は、畑に美しい模様を描くことで、地球外生命体が地球を訪れているという考えに少しずつ人間を慣れさせているのだといいます。

一夜にして出現したミステリーサークル
ミステリーサークルが一夜にして出現するというのが、宇宙人説擁護派たちの大きな根拠となっています。
クラゲなどの非常に複雑なミステリーサークルについて、少人数のグループがたった一晩であのような見事な作品を作ることは難しいと言うのです。さらに、ミステリーサークルは常に完璧であり、この完璧さは宇宙人の仕業に違いないと主張する人もいます。
また、飛行機で農地の上空を飛行し、数分後に再びその農地の上を通ると、最初の通過時にはなかった完璧なミステリーサークルが現れていたと証言する人々がいます。彼らが言うには、ミステリーサークルはどこからともなく現れたのです。
他には、ミステリーサークルのある場所から不思議な光が見えたという人もいますし、UFOを目撃した経験からミステリーサークルの正体は宇宙人であると確信する人もいます。

人間が作るには完璧すぎる幾何学模様
紙やコンピューターで何かの図形を描くのと、わずかな道具を使って農地に図形を描くのでは困難さが全く違います。
宇宙人説擁護派は、ミステリーサークルの完璧さは宇宙人によって作られた証拠であると信じています。彼らは、木片とロープを使っただけで、人間があのような素晴らしい芸術作品を作るれるはずはないと言うのです。

ミステリーサークルは作物を曲げているだけで、折ってはいない
さらに、ミステリーサークルを作る過程で作物そのものが折られることはなく、これは人間がやるにはあまりにデリケートな行為だとクロッピーたちは言います。
しかし、ミステリーサークルは通常、作物がまだ青く、しなやかな時期に現れます。つまり、もともと多少の負荷をかけても作物が折れにくい時期であり、それほど驚くことではないはずです。
作物は通常、時計回りか反時計回りのどちらかに曲げられています。もし、誰かが円の中心につながったロープと板を使って草を曲げているとしたら、確かに時計回りか反時計回りのどちらかの方向に草は曲げられるでしょう。
エネルギーを秘めたレイライン
レイラインは地球上の離れた場所を結ぶ強力な線で、地球の強力なエネルギー流の上にあると考えられています。
ミステリーサークルの研究者の中には、ミステリーサークルの線がレイラインと完全に一致していると考える人もいます。また、何百マイルも離れているように見えるサークルも、まったく同じレイライン上にあるのではないかと主張する人もいます。
ミステリーサークルはどこで見られるか?
興味深いことに、多くのミステリーサークルが見られるのは、イングランド南部のストーンヘンジとエーヴベリーの近くです。
エーヴベリーは約4200年前、ストーンヘンジは4000-5000年前に建造されたと考えられており、これらの2つの考古学的ランドマークには、巨大な石が幾何学的に配置されています。おそらくは、これらの古代建造物に触発されて人間が同じような風景を作ったのでしょう。
ミステリーサークルの愛好家たちは、自分の目で現場を確認するためミステリーサークルまで足を運びます。ミステリーサークル愛好家の中にはクロッピーもいますが、多くは単にサークルの美しさを楽しんでいるのです。
ミステリーサークルはヨーロッパを中心に、アメリカやオーストラリアなど世界各地に出現します。

どのような作物が好まれているのか?
どのような作物が好まれるかは、どの季節にサークルが出現するかによって異なります。
ミステリーサークルのシーズンは一般的に5月から10月までで、夏の農業シーズンと重なります。その時期に旬の穀物がミステリーサークル作成者たちに好まれるのです。
真っ直ぐしなやかに成長するイネ科の植物が、ミステリーサークルに最適な作物と言えます。対象となるのは小麦、大麦、オーツ麦、トウモロコシなどです。時折、ジャガイモや葉野菜の畑に現れることもあります。
夏の盛りにイギリス南西部を訪れれば、おそらく本物のミステリーサークルの周りを歩くことができるでしょう。皆さんも一度、ミステリーサークルを訪れ、それが人間によって作られたのか、それとも宇宙人によって作られたのか、自分自身で判断してみてはいかがでしょうか。
もしかすると、レイラインからのエネルギーを感じたり、作物の茎の曲がり具合に何かの証拠を見つけることができるかもしれません。
via: Crop Circles: What’s Fake, Real, and Questionable? • Earth.com

まあ、ミステリーサークルをどう楽しむかはその人次第じゃな
この記事は、2022年3月25日に投稿した内容を修正・再投稿したものです。
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