ドードー鳥は、マダガスカル沖のモーリシャス島にかつて生息していた飛べない鳥です。
人間によって発見されてから、わずか100年足らずで絶滅した悲劇の鳥でもあります。この事実は、人間が自然に与える影響について世界が考えるきっかけになりました。
ドードー鳥がなぜ絶滅に至ったのか?
我々が自然と向き合っていくためにも、ぜひ学んでおきましょう。
人間による乱獲

ドードー鳥が絶滅したのは人間に原因があると考えられています。それは人間が乱獲し過ぎたということでしょうか?
記録によると、ドードー鳥はそれまで孤立した状態で進化してきたため人間とは接触したことがなく、警戒心よりも好奇心が強かったといいます。
この島にやってきた船員に自ら近づいたり、捕獲された鳥の鳴き声を聞くと、そこへ向かって走ってくるため、どんどん捕獲されてしまいます。また、飛ぶことができないので捕まえるのも簡単でした。そのためこの鳥には、ポルトガル語で”のろま”を意味する”ドードー”という名前が付けられたのです。
長い間、人々はこの愚かな鳥を乱獲し過ぎてしまったと考えていました。これがきっかけとなり、人間が種の危機や絶滅に与える影響を強く意識するようになったのです。
しかし、現代の研究者の間では、人間が行った狩猟が絶滅の直接の原因ではないと考えられるようになってきています。もちろん、ドードー鳥のいくらかは人間が直接殺しましたが、絶滅の本当の原因は人間が持ち込んだ動物たちだったのです。

外来種
ドードー鳥の生息地に移り住んだ人間たちは、豚、猫、犬、ネズミ、サルなどを新たな住人として持ち込みました。
研究者たちは、これらの動物がドードー鳥絶滅の原因であることを示す証拠があると主張しています。つまり、ドードー鳥の脆弱な生態系を破壊したのは、人間による乱獲ではなく、これらの動物たちだと考えられているのです。
特にブタとオナガザルはドードー鳥にとって危険な存在でした。彼らはドードーの巣を襲い、卵を食べてしまうのです。さらに、ドードー鳥は島内の限られた資源をめぐって彼らと競争しなければならなくなり、外来種の子孫たちはドードー鳥を狩って食べるようになっていきます。ドードー鳥は飛べないため、捕食者から逃れることができないのです。
このように、ドードー鳥の繁殖力を上回る数の動物が出現したことがドードー鳥の絶滅につながったのです。また、人間が森から木を切り倒し、生息地を破壊していったことも絶滅の一因となりました。

環境
ただし、ドードー鳥が生息数を減らしたのは人間による影響だけではなかったかもしれません。ドードー鳥は人間との交流以前から、すでに個体数が減少していたという証拠が見つかっています。
2005年、鉄砲水で死んだドードー鳥の化石が発見されました。このような自然災害がドードー鳥の生息数に大きな影響を与えていたのです。
とはいえ、やはり人間の介入がなければ、これほど短期間に絶滅することはなかったのは明らかです。ドードー鳥は、火山活動や氷河期、あらゆる気候の中で何百年も生き延び、”のろま”のレッテルを貼られながらも環境に適応し、生き抜く能力を示していました。人間が介入したことにより、ドードーは本当の意味で命運が尽きたのです。
なぜドードーは絶滅したのでしょうか?それはやはり、私たち人間に責任があるのです。

人間が他の動物よりも優れている点の一つが、”学ぶことができる”ということじゃ
人間は多くの過ちを起こしてきたが、この一件からも何かを学ぶことができるはずじゃ
この記事は、2022年3月28日に投稿した内容を修正・再投稿したものです。
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