サメは少なくとも4億5千万年前から地球上に生息していると言われています。
これは、約2億年前に登場した哺乳類は言うに及ばず、恐竜(約2億4千万年前に出現)や、樹木(約3億9千万年前に出現)よりも古いことになります。
その間、6600万年前(白亜紀末期)に恐竜を絶滅させた大惨事を含め、地球の歴史の中で発生したとされる五度の大量絶滅(ビッグファイブ)を、四回は乗り越えてきたのです。
なぜサメはこれほど長い間、繁栄し続けることができたのでしょうか?彼らの成功の秘訣を検証してみましょう。
水温に合わせ、体長を変化させる

サメが成功を続ける1つの理由は、水温が上がると体を小さくするなど、環境条件に合わせて生理機能を変化させてきたことが挙げられます。この能力により、急速な生態系の変化にも素早く適応することができました。
サメは、エイやギンザメなどと同じ軟骨魚類と呼ばれるグループに属しています。軟骨魚類はその名の通り、骨格の大部分が骨ではなく軟骨でできているのが特徴です。

例えば、カナダのセントローレンス湾南部に生息する”Winter skate (Leucoraja ocellata)”というガンギエイの仲間は、7000年の間に10度上昇した水温に対して、体長を劇的に縮小させることで適応することができました。この報告は2016年に『Royal Society Open Science』誌に投稿されています。
7000年という時間は自然淘汰による変化にしては短すぎると考えられ、科学者たちは、ガンギエイのサイズが急激に変化したのは徐々に小さい個体が選択されたというよりも、環境要因によって遺伝子の発現が変化するエピジェネティックな反応によるものだと考えています。
カリフォルニア州立大学ロングビーチ校の海洋生物学教授で、サメ研究所の所長でもあるクリストファー・ロウ氏は、一部のサメはゲノムが非常に大きく、今は役に立っていない、過去の気候条件に耐えることができた遺伝子が含まれているかもしれないと述べています。
淡水への適応と、水域と食事の多様性

さらに、サメのいくつかの種は淡水と海水を行き来することができます。その代表例としては、攻撃的なことで知られるオオメジロザメ(Carcharhinus leucas)が挙げられます。
この能力は、地球の気温が変化し、極地の氷が溶けて大量の淡水が海に入ってきたとき、環境への適応に役立った可能性があります。
米国フロリダ州のサメ研究プログラムのディレクターであるギャビン・ネイラー氏は、「この万能性が、サメの長寿を支えている可能性が高い」と話します。
また、サメは深海、浅海、川など様々な水域に生息し、プランクトン、魚、カニ、アザラシ、クジラなど、多種多様な餌を食べています。そのため、ある地域や食料源が脅かされたとしても、サメの集団としての多様性により、いくつかの種は生き残る可能性が高いということです。
未曽有の試練

これまで、サメはその適応力によって過去の大量絶滅を生き延びることができましたが、現在は未曽有の試練に直面しています。それは人間の存在です。
ネイラー氏は、「サメは過去の気候の変化にうまく対処してきましたが、現在、世界中に生息するサメとエイにとっての最大の課題は乱獲です。これらの動物が人間によって捕獲されることに対抗するためのトリックはありません」と述べています。
ロウ氏は、「場所によっては、生息環境の汚染や喪失の影響もサメを脅かしている可能性が高い」と付け加えます。
海の生態系全体におけるサメの役割は計り知れません。多くのサメは頂点捕食者であり、食物連鎖の下位に位置する生物たちの個体数を調整する重要な役割を担っています。
ネイラー氏はサメがいなくなることによる懸念を次のように説明しています。「頂点捕食者を取り除くと、リンゴのかごがひっくり返り、生態系のシステムにさまざまな変化をもたらす可能性があります」
reference: Sharks are older than the dinosaurs. What’s the secret to their success? | Live Science

サメがそんなに昔から地球上にいたとはのぉ
環境に適応する能力が高いんじゃな
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