10年間に9人の人間と1匹の犬を救った伝説の水難救助犬ウィズ

イヌ

まだ日本ではあまり一般的ではありませんが、世界の多くの国では水難救助犬が活躍しています。彼らはライフセーバーとともに海の安全を見張り、時に人を水難から救うのです。

そんな水難救助犬のなかでも特に偉大な功績を残した犬がいます。


ニューファンドランド犬のウィズ、PDSA功労勲章を受章

10年間に及ぶ水難救助活動の中で、9人の人間と1匹の犬を危機から救ったニューファンドランド犬のウィズに、PDSA功労勲章が授与されました。この賞は、職務の中で特に優れた功績を残した動物に与えられるものです。

12歳で亡くなったウィズは、その生涯の大半をブリストル海峡とセヴン川のパトロールに捧げました。

彼は水難救助犬として活躍しただけでなく、飼い主のデイビッド・ピュー氏とともに募金活動やセラピー犬としても社会に貢献してきたのです。

ウィズの功績

ウィズはデイビッド氏によって、わずか1歳の頃から水難救助犬としての訓練を受けてきました。彼のキャリアを通じて行った素晴らしい救助活動のうち、いくつかをここでご紹介します。

2人の少女

2008年8月、ある家族がビーチで海水浴を楽しんでいました。2人の小さな女の子は、両親を説得して買ってもらった小さなゴムボートを海に浮かべて遊んでいます。

しばらくすると、両親は娘たちの姿が見えないことに気づき、パニックになりました。

海を見ると、少女たちが乗ったゴムボートが沖に流され、その近くに別なボートが近づいていくのが見えたのです。そして、近づいたボートが起こした波によって少女たちは海に投げ出されしまいました。

救命ボートに乗って現場に駆け付けたウィズは、ライフセーバーとともに海に飛び込みます。そして、少女たちを無事に安全な場所まで引き上げたのです。

失踪した犬
アイリッシュ・セッター

2007年2月、シャーロット・バローズさんが2匹のアイリッシュ・セッターを散歩させていると、そのうちの一匹、トッパーがいなくなったことに気づきました。

シャーロットさんは心配になり、先に家に帰ったのではないかと急いで家に向かいます。その途中、ウィズの散歩をしていたデイビット氏とすれ違った彼女は、トッパーを見なかったかと尋ねました。すると突然、ウィズがどこかへ走り出したのです。

そのときのことについて、デイビット氏は次のように述べています。

「何がきっかけになったのかはわかりませんが、ウィズは使われなくなったプールのほうに走っていきました。彼は迷うことなく水の中に飛び込むと、そのプールの中にはトッパーがいたのです。トッパーは足を痛めて出られなくなっているようでした。ウィズがトッパーを私の方に向かって押してきたので、私はトッパーを引き上げるのを手伝いました。もしウィズがあのとき行動を起こしていなかったら、トッパーは重大な危険にさらされていたことは間違いありません」

突然の発作

2011年、ブリストルに住むトニ・カーティスさんが家族で海水浴を楽しんでいたところ、突然喘息の発作を起こしました。当時の状況について、トニさんは次のように振り返ります。

「私は泳ぎが得意で深い海に入るのが好きなんです。喘息の発作に驚いて水中で呼吸するのに苦労しているうちに、自分が孤立していることに気が付きました。誰も私のことを見ていないだろうと思うと、本当にパニックになりました。しかし、気がつくと、『犬に掴まれ!』というかすかな声が聞こえ、私はいつの間にか救命ボートに引き上げられていました。ウィズが私を救ってくれたのです。私は彼への感謝を忘れることはないでしょう

水難救助の日

ウィズは水難救助だけでなく、”ニューファンドランド水難救助の日”というイベントに参加し、何千ポンドものチャリティーを集めました。このイベントはライフジャケットを着用して海に飛び込み、ウィズや仲間のニューファンドランド犬に救助される体験を行うというものです。

飼い主のデイヴィッド氏は1989年に慈善団体”ニューファンドランド・フレンズ”を設立し、こうしたイベントなどを通じて、この犬種の知名度を上げ、その技術を活かして集めたお金を慈善団体に寄付しています。

また、ウィズは病院、老人ホーム、ホスピスなどの施設や、任務中に負傷した軍人などを訪問し、人々の心のケアにも貢献してきました。

授賞式

ウィズのいとこのティズと飼い主のデイビッド・ピュー氏

2016年3月22日、ドッグス島の波止場で行われた式典にはウィズのいとこのティズと飼い主のデイビッド氏が出席し、ウィズの代わりにPDSA功労勲章を受け取りました。

PDSAのジャン・マクローリン事務局長は、「ウィズの人生は、出会った人々の命を救い、心を豊かにすることに全力を尽くしたものでした。彼の物語は、動物が私たちの生活にもたらす多大な貢献を体現しています。ウィズは、卓越した献身を称えるPDSA功労勲章の受賞者にふさわしい犬です」と、彼を称えました。

受賞について、デイビット氏は次のように述べています。「ウィズのことを考えると、胸がいっぱいになります。彼は100万匹に1匹の犬で、この場で勲章を受け取れないことが本当に残念でなりません。ウィズは働くことが大好きで、並外れた才能を持っていました。強くて優しいだけでなく、とても感情豊かで、するどい直感を持っていました。そのため、彼は完璧な救助犬やセラピー犬になることができ、彼が出会った何百人もの病気の子どもや大人たちの最愛の伴侶となれたのです。ウィズがPDSA功労勲章を授与されたことに感激しています

reference: Animal OBE for life-saving Newfoundland – PDSA

ウィズは素晴らしい犬じゃったな

彼の名前はこれからも人々の心に残り続けるじゃろう

この記事は、2022年3月18日に投稿した内容を修正・再投稿したものです。

コメント

Ads Blocker Image Powered by Code Help Pro

広告ブロックを検出しました!

広告をブロックするための拡張機能を使用していることを検知しました。
広告ブロックを無効にするか、doc-owl.comドメインをホワイトリストに追加し、更新ボタンを押してください。

タイトルとURLをコピーしました