なぜ夜行性の動物は暗闇で活動できるのか?視覚以外の5つの驚くべき能力

その他哺乳類

照明登場以前の人間の活動時間は、ほぼ日中の時間帯に限られていました。人間以外の霊長類も多くは昼行性です。しかし、自然界では夜行性の動物が半分を占めています。

考えてみれば地球上の約半分は常に夜であり、地下や洞窟、深海のような環境ではまったく陽が当たることはないのです。

暗闇の中に生きる動物たちは、光のない世界で繁栄するため、驚くべき感覚や能力を進化させています。猫のような動物は、わずかな光が差す環境下での視力を高めることで暗闇に適応していますが※、ここでは視力以外の能力によって暗闇に適応している5つの例をご紹介します。

※猫などの動物がいかにして夜間視力を高めているのかについては、以下の記事をご覧ください。

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1. フクロウは耳で獲物を探す

フクロウは夜行性のハンターで、優れた視力を持ち、鋭いくちばしと爪を持っています。しかし、フクロウにはあまり知られていない秘密兵器があるのです。それは、非常に敏感な聴覚です。

フクロウは遠くの音が聞き取れるというだけでなく、夜の草原をかき分けるネズミの音や、厚い雪の下を移動するレミングの音など、音の発生源を正確に突き止めることができます。

フクロウの頭部は丸い形をしており、ふわふわの羽で覆われています。これがアンテナのような役割を果たし、顔の側面にある耳に音を集めるようになっています。

また、フクロウの多くの種は耳の位置が非対称で、片方の耳はもう片方より高く、頭の前方にあります。これにより、音がそれぞれの耳に届くまでのわずかな時間の違いを感じ取ることで、音の発生源を三角測量の要領で正確に突き止めることができるのです。

2. コウモリのエコロケーション

夜行性の動物と言えばコウモリを思い浮かべる人も多いでしょう。コウモリの目は夜明けや夕暮れ時の光が少ない時間帯に適応しており、その時間帯であれば人間と同じかそれ以上の視力があります。

しかし、コウモリの代名詞といえばやはりエコロケーション(反響定位)です。コウモリは、口や鼻の穴から超音波(周波数が高く、人間には聞き取れない音)を出し、跳ね返ってきた音を耳で拾うことで周囲の障害物の位置を把握し、木々の間を巧みに移動したり、飛んでいる蚊を捕まえたりすることができます。

オオコウモリと呼ばれる種は昼行性が多く、エコロケーションを使いません。しかし、このエジプトルーセットオオコウモリはオオコウモリの仲間で唯一エコロケーションを使うことができます。

このシステムは非常に高精度で機能しており、髪の毛ほどの細いものでも認識でき、大きな葉の上にいる小さな虫でさえ、接近しながら角度を変えることで別々な物体だと認識し、捕らえることができるのです。

さらに最近の研究により、エコロケーションがコウモリのコミュニケーションにも重要な役割を果たしていることがわかってきました。ある種のコウモリの超音波には、性別、年齢、個体識別などの情報が含まれているというのです。

マックス・プランク動物行動研究所のジェナ・コーレス氏は、次のように述べています。

「コウモリが獲物を探すときに使うエコロケーションには『個体識別情報』が含まれており、群れのメンバーは互いを見分けることができます。夜間に飛び回るコウモリの社会は、これまで考えられていたよりもはるかに複雑である可能性が高いのです」

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3. 赤外線で見るヘビ

ガラガラヘビはピットバイパーの代表的な種です

コウモリやネズミなどの動物は、暗闇に隠れていても生きている限り熱を発しています。ニシキヘビやボア、ピットバイパーと呼ばれる種類のヘビたちは、こうした動物が発する赤外線を光ではなく熱として検知することで、暗闇の中で獲物を見つけることができるのです。

ピットバイパーは、鼻孔と目の間の穴(英語でくぼみを意味するpit-ピット)に熱を感知する器官(ピット器官)があることから、その名が付けられました。この特殊な感知器官には、数千の末端神経が通った膜があり、最大1m程度の距離で温度のわずかな違いを感知することができます。

この驚くべき能力は、我々人間が赤外線カメラで撮影した映像を見るようなもので、これらのヘビたちは周囲よりも温度の高い場所を追いかけることで獲物を探し出すことができるのです。

アミメニシキヘビはヘビの中の最長種の一つです

2010年に『ネイチャー』誌に掲載された論文によると、このピット器官は、人間がワサビやタマネギなどの刺激を感知するのと同じ受容体(刺激を情報に変換する構造や細胞)を利用して機能していることが明らかになりました。この受容体は「ワサビ受容体」と呼ばれており、ヘビは「ワサビ受容体」が熱を感知するよう進化しているのです。

また、別な研究によると、ヘビのピット器官の細胞には焦電効果があり、熱を加えると小さな電気信号を発生させることが示唆されています。ヘビはこの電気信号を処理することで、赤外線の情報を脳内に伝達し、暗闇で熱の変化を見ることができると考えられます。

しかし、この特殊なヘビの能力を逆手に取ろうとする獲物もいるようです。ある種のリスは、こうしたヘビに対峙したとき、尻尾に血液を送り込んで温めながら大きく振ります。これにより、ヘビにはリスが2倍も大きく見え、襲うのを諦めさせようとしているのです。

4. 発光する深海生物

発光するクラゲ

地球表面の約3分の2を占める海は、そのほとんどが太陽光がわずかしか届かない暗黒の世界です。

地下や洞窟のような常時暗い環境では、多くの生物が盲目になるように進化しました。しかし、深海の生物たちは、発達した敏感な目を持っていることが多いのです。

スクリップス海洋研究所のマイケル・ラッツ氏は、「彼らの目が捉えるのは太陽の光ではありません。生物発光です。それは、獲物を引き寄せたり見つけたり、捕食者を追い払ったり避けたり、仲間を見つけたりするのにとても重要なのです」と説明します。

生物発光は陸上では珍しいかもしれませんが、深海に生息するほとんどの生物は、特別な化学反応によって自分自身で光を作ります。彼らはルシフェリンという物質を酸化させ、可視光の形でエネルギーを放出することができるのです。魚類からバクテリアまで、深海に住む様々な生物がこの能力を進化させてきました。

深海魚の約6割を占めるハダカイワシ(英名:lanternfish)の仲間は、生物発光の成功例といえます。彼らの腹部や側面にはカモフラージュのための発光器官が配置されており、海面から降り注ぐ光のパターンに合わせて周囲に溶け込むように発光するのです。

さらに、その光はコミュニケーションにも使われているかもしれません。245種ものハダカイワシは、それぞれ独自の光の配列と点滅パターンを持っており、暗い海の中で交尾相手を見つける役割を果たしている可能性があります。

また、自分では光を出せない深海生物も他の生物の光を利用して生きています。チョウチンアンコウは、顔の前に置かれた発光する突起を使って獲物を誘い出すことで有名です。しかし、彼らは自分自身でこの光を作り出しているのではなく、生物発光する共生生物(バクテリアもしくは細菌)を利用していると考えられています。

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5. メダマグモは足で音を感知する

メダマグモの一種

メダマグモと呼ばれるクモの仲間は、足の間に小さな網を作り、近づいてきた獲物にそれをかぶせるようにして捕えます。そのため、このクモの大きな目は夜間であれば人間のおよそ2,000倍もよく見えるそうです。しかし、このクモの脚にはもっとすごい能力があるのです。

新しい研究によると、このクモの足には振動を敏感にキャッチする受容体があり、耳を持っていないにも関わらず、音を聞くことができるというのです。

このクモが、足にある感覚器官によって空気中の振動を感知し、周囲を移動する生物の位置を特定していることはすでに知られていました。しかし、コーネル大学でクモの生態を研究しているジェイ・スタフストロム氏らのチームは、この能力を音を感知するのにも使用していることを突き止めたのです。

実際、糸にぶら下がって獲物を待つメダマグモに、蛾やハエ、蚊などの羽が出す音に似た周波数の音を聞かせると、バク転のような動きで網を投げて獲物を捕らえようとしたそうです。

網を構えるメダマグモ

「哺乳類などの動物の鼓膜は、音を脳で使える情報に変換する経路の重要部分を占めています。(このクモが足を使って音を感じているのは)機能的には同じことをしているのですが、異なるタイプの器官でそれを行っているのです」とスタフストロム氏は述べています。

さらに、このクモの聴覚能力は、捕食者を警告する役割も果たしているかもしれません。(捕食者である鳥の鳴き声に近い)高周波の音を聞かせると、このクモはじっとして動かなくなるのです。

「(このクモは)鳥が天敵であることを知っており、鳥の鳴き声を聞き分けることができます。そのため、鳥を警戒するのにこの聴覚を利用しているかもしれないと考えています」

reference: Five Amazing Adaptations That Help Animals Thrive in the Dark | Science| Smithsonian MagazineA New Social Role for Echolocation in Bats That Hunt Together | Smithsonian Institution (si.edu)メダマグモ科 – Wikipedia

フクロウは夜間飛行のために考え抜かれた能力を持っているんじゃ

やっぱりフクロウが一番じゃな

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