中国科学院大学の生物学者が、中国近海で新種の魚を発見しました。
ペガサスと名付けられた魚
今回、中国福建省のアモン湾で発見されたのは、ウミテング科(学名:Pegasidae)に属する新種の魚で、Chinese seamoth(チャイニーズ・シーモス、学名:Pegasus sinensis)と名付けられました。

ウミテング科の魚たちは、インド太平洋の温帯から熱帯の海域に広く分布しており、数種は日本近海でも確認されています。これらの魚たちに付けられた”pegasus”(ペガサス)という学名は、大きな胸ビレが翼のように見えることから、ギリシャ神話に登場する翼のある馬にちなんで付けられました。

胸ビレの他にも、和名のテングの由来にもなっている長く尖った口先や、厚い骨板で覆われた平べったい体など、特異な外見が特徴です。
生態についてはあまりわかっていませんが、平たい体からも推測されるように、主に海底に生息し、腹ビレを使って這うように移動しているようです。
また、中国などではウミテングは漢方薬として販売されています。
新種の魚の分類

Photo: Xin Wang
今回発見されたチャイニーズ・シーモスは、体長が約7.3cmほどで、ベージュ色の体色に黒色の斑点があります。
現在、ウミテング科には2属7種が確認されていますが、この種はテングノオトシゴ属と考えられています。もう一つのウミテング属は、尾部のリング状の骨板が8-9個であるのに対し、本種を含むテングノオトシゴ属は11個以上あるのが特徴です。
また、本種は近縁種のヤリテング(学名:Pegasus volitans)とは、体表に存在する斑点の密度や色が異なっています。
この発見を報告した中国科学院大学のイェンイー・チャン氏らは、「今回の研究では、新たに塩基配列を決定した3種のウミテングのミトコンドリアゲノムをもとに、ウミテング科の系統分析を行いました。その結果、今回発見したチャイニーズ・シーモスとヤリテングが約900万年前に共通の祖先から分岐したことを明らかにしました」と論文の中で述べています。
この論文は、2022年7月18日に雑誌「Zoological Research」に掲載されました。
reference: Bizarre New Species of Fish Found in East China Sea | Sci.News、ウミテング科 – Wikipedia、Pegasidae – Wikipedia

ホウボウなんかもそうじゃが、海底に住む魚は胸ビレが大きな魚が多い気がするぞぃ
海底を泳ぐのに有利なんじゃろうか

コメント
こんにちは。
まだまだ、世界にはわたしたちが知らない生物が存在するのですね。
海底に生息する魚は胸ヒレが大きいですね。しかも、うまい魚も多いです。
ありがとうございました。
armlockさん、コメントありがとうございます。
動物は数百万種いるそうですから、私たちが一生かけて目にするのは1%にも満たない数なのだと思います。