南アフリカの海岸で犬を散歩させていた住民が、巨大なイカが打ち上げられているのを発見しました。それは最も大きなイカの一種であるダイオウイカで、体長は4mを越えていたそうです。
巨大なイカ
Giant squid species beak reveal (by attending marine biologist) – Scarborough wreck this morning. pic.twitter.com/9Mr9QbjZmi
— Tim Dee (@TimDee4) August 16, 2022
2022年8月16日、南アフリカ・ケープタウンにあるスカボロー・ビーチに巨大なダイオウイカ(学名:Architeuthis dux)の死骸が打ち上げられました。地元メディアによると、このイカの体長は約4.3メートルで、今年この地域に打ち上げられた2匹目のダイオウイカであるとのことです。
これまで正式に確認された最大のダイオウイカは、1966年にバハマ沖で捕獲された個体で、体長はなんと14.3mもあったそうです。一部の研究によると、この生物は20mに達する可能性があると推測されています。とはいえ、通常は5mを越える個体が確認されるのは非常に稀だそうです。
また、ダイオウイカは世界最大の無脊椎動物の候補とされていますが、同じイカの仲間に強力なライバルがいます。それはダイオウホウズキイカ(学名:Mesonychoteuthis hamiltonia)と呼ばれる種で、体重はダイオウイカを上回り、こちらも個体によっては体長が20mに達するのではないかと言われています。ただし、この種は南極海周辺の深海に生息しているため、人の目に触れることがほとんどなく、詳しい生態はあまりわかっていません。

今後の調査
ダイオウイカは世界中の海で確認されており、通常は水深500~1,000メートルの深海に生息しています。あらゆる生物の中で最大級とされる目(最大で直径27cm)で、暗い深海の中のわずかな光を識別し、2本の触手で深海魚や他のイカ類を捕らえて捕食します。
イジコ・サウスアフリカ博物館で学芸員を務める海洋科学者のディラン・クラーク氏は、「ダイオウイカが餌を求めて浅い近海に出てきたところで船のプロペラなどに当たったのかもしれませんが、目撃者がいなければ証明するのは難しいです。彼らは夕方になると餌を食べるために浅い海域に浮上し、日中には深い海域に戻っていきます」と述べています。
スカボロー・ビーチに打ち上げられたダイオウイカの死骸は、イジコ・サウスアフリカ博物館の研究者によって今後調査される予定です。死骸から採取したサンプルは遺伝子検査や化学分析にまわされ、汚染物質や安定同位体の検出を行います。安定同位体の分析は、イカの消化器官を調べるのと同様、イカの摂食履歴を知る手がかりになります。
また、イカの目の上には平衡感覚を制御するための平衡石(へいこうせき)と呼ばれる部位があり、ここには年輪(実際は日単位)のようなものが形成されているため、これを調べることでイカの年齢を特定することができます。過去の研究によると、ダイオウイカは5歳くらいまで生きることが示唆されています。
reference: Giant ‘kraken’ carcass with dinner plate-size eyes washes ashore in South Africa | Live Science、Giant squid – Wikipedia、Colossal squid – Wikipedia

すごい大きさじゃな!
5年でこれほどまで成長することができるのか…
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