アリの嗅覚を利用した新しいがん検査法が研究されている

昆虫

厚生労働省によると、2020年の日本人の死因の27.6%が悪性新生物(がん)によるものです。がん治療において早期発見が非常に重要とされますが、がん検査は高価であったり、身体的な負担を伴うものであったりと課題はまだまだあるようです。

そんながん検査の新しい研究の一つとして、アリを使った検査が検討されているそうです。

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がん検査の課題

がんの早期発見は公衆衛生上の大きな課題です。現在、がん細胞の検出に用いられているMRIやマンモグラフィーなどの手法は、身体に対するダメージを伴うものであったり、高価なものが多く、長期的な使用には限界があります。

このような制約を回避するため、近年では動物の嗅覚を利用するなどの代替手法が盛んに研究されています。

フランス国立科学研究センター(CNRS)が主導する新しい研究によると、アリの嗅覚を利用することで、がん細胞と健康な細胞の識別ができ、がんの種類まで識別できることがわかりました。本研究は学術誌「iScience」に掲載されています。

アリを使ったテスト

研究者たちは、実験室内で36匹のアリを使ったテストを行いました。まず、アリにヒトのがん細胞のサンプルを見せ、アリが好む甘い溶液からなる報酬を連想させるようにしました。すると、わずか数分の訓練でアリはヒトのがん細胞と健康な細胞を確実に区別できるようになったのです。

生物の嗅覚を使ってがん細胞を発見するのは今回が初めてではありません。例えば、犬もがん細胞を嗅ぎ分けることができます。しかし、そのためには数カ月から1年という長期間の訓練が必要でした。

論文には、昆虫による検査の長所が次のように書かれています。

「昆虫は制御された環境で簡単に飼育でき、安価で嗅覚が非常に発達しています。そして、数百匹の個体を非常に少ない試行回数で条件付けすることが可能です。したがって、アリはがん細胞を検出するための、迅速かつ効率的、安価で高精度な検出手法になりえます」

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他の物質検出への応用

この検査法の有効性は、実際の人間を使った臨床試験で検証する必要がありますが、実験室内のテスト結果は、アリが”がん”などの物質を検出するための最適な生物の一つである可能性を示唆しています。

論文によれば、今回のアリを使った検査法の活用範囲はがん検出だけに限らないようです。

「我々の手法は、麻薬、爆発物、腐敗した食品、あるいはマラリア、感染症、糖尿病などの病気の検出を含む、他の様々な匂い検出の場面に応用できる可能性があります」

reference: Ants can detect cancer through smell • Earth.comgaikyouR2.pdf (mhlw.go.jp)

すごい研究じゃ!

この検査方法が実用化されたら、もうアリを踏むようなまねはできんぞぃ

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