2022年9月11日、オーストラリア南西部のレドモンドでカンガルーが77歳の男性を襲い、死亡させる事故が発生しました。男性は野生のカンガルーを自宅敷地内でペットとして飼っていた可能性があります。
警察の発表によると、親族が自宅敷地内でカンガルーに襲われている男性を発見。救急隊を呼びましたが、カンガルーが救護活動を妨げたため、警察によって射殺されたとのことです。
カンガルーに襲われたことによる死亡事故は、報告されている限り1936年以来二度目です。1936年の最初の記録はニューサウスウェールズ州で発生し、カンガルーに襲われている二匹の犬を救おうとしたハンターが命を落としたというものでした。
カンガルーの飼育

カンガルーを含む特定の動物をペットとして飼うには法的許可が必要ですが、警察は被害者が許可証を持っていたかに関して公表すべき情報はないとしています。
オーストラリアのパースにある”Native Animal Rescue service”(野生動物保護サービス)でカンガルーの世話をするタンヤ・アーウィン氏によれば、西オーストラリア州ではカンガルーの飼育許可を出すことはほとんどないと言います。
「これは大人のオスのようですが、飼育がうまくいかないと彼らは攻撃的になることがあります。なぜ飼育されていたのか状況はわかりませんが、残念ながら彼らはかわいい動物ではなく、野生動物なのです」と述べています。
人間を襲うカンガルー

襲われたカンガルーの種類は明らかになっていませんが、南西部に多く生息するクロカンガルーは最大で体長1.3m、体重54kgに達します。
繁殖期を迎えたオスは特に攻撃的で、オス同士がメスを巡って争うことはよくあります。彼らは立ち上がって前足で相手を捕まえると、筋肉質な尾で体重を支えながら鋭い爪のある後足で強烈なキックを繰り出します。これは人間の内臓が破裂するほどの威力があるそうです。
前述のように、死亡に至るケースは稀ですが人間がカンガルーに襲われる事故はたびたび発生しています。今年7月には、クイーンズランド州で散歩中の67歳の女性が襲われ、裂傷と足を骨折する怪我を負いました。また、3月にはニューサウスウェールズ州で3歳の少女が襲われ、頭部に重傷を負いました。
本ブログでも、男性がカンガルーに襲われる様子が撮影された件について、過去に投稿しています。
カンガルーとの交通事故
オーストラリアで発生した野生動物と車が衝突する交通事故のうち、90%程度がカンガルーが相手だと言われています。カンガルーは犬や猫よりも重さがあるため、車が大きく破損することも多く、フロントガラスに衝突した場合は運転手や同乗者が怪我や死亡するケースもあります。

そのため、オーストラリアではカンガルーの横断に注意を促す看板が一般的であり、カンガルー用のグリルガードや超音波などで動物を寄せ付けないようにする商品などが販売されているそうです。
当然ながら人間と野生動物のトラブルの根本的な原因は、もともと彼らが生息していた土地に人間が移り住んだことにあります。これらのトラブルを回避する責任は人間側にあるのです。
reference: Kangaroo kills man, blocks medics in rare Australia attack (usatoday.com)、Australian man killed by kangaroo he kept as pet, police say – BBC News、Kangaroo – Wikipedia、Kangaroo kills Australian man in rare fatal attack : NPR

野生動物に近づいたり、ペットにすることには大きなリスクが伴うということじゃな
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