太平洋の深海調査でバナナに似たナマコを含む55体の生物標本を回収。うち39体は新種の可能性

生物学

ロンドン自然史博物館の研究者たちは、太平洋の深海に生息する巨大海洋生物群を発見し、55体の生物標本を回収しました。その中には、バナナそっくりのナマコなどが含まれ、うち39体は未知の種である可能性があるといいます。

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未知の深海生物を調査

2018年夏、研究者たちはハワイとメキシコの間にあるクラリオン・クリッパートン・ゾーン(CCZ)と呼ばれる海域で深海生物の調査を行いました。

CCZの海底には、銅、ニッケル、マンガンなどの貴重な金属が大量に眠っているとされており、そうした点からも注目を集めている場所です。しかし、この海域にはいくつかの海山があるため調査が容易でなく、これまでほとんど調査が行われていませんでした。そのため、多くの新種の深海生物の発見が期待されていた場所でもあります。

彼らは遠隔操作車(ROV)を用い、水深5,000mに潜む55体の標本を回収しました。現在までの調査で、そのうち7種が新種であることが確認されており、他にも多数の新種が含まれている可能性があります。この発見の詳細は「ZooKeys」誌に掲載されています。

バナナのようなナマコ

バナナのようなナマコ(学名:Psychropotes longicauda)
Photo: DeepCCZ expedition, Gordon & Betty Moore Foundation & NOAA

今回の調査によって発見された深海生物の中には、まるで剥いたバナナのようなナマコ(学名:Psychropotes longicauda)も含まれています。

このナマコは既知の種で、リスの形をしたグミのように見えることから英語で”gummy squirrel(グミのリス)と”呼ばれています。実際、その体はグミのように弾力があり、写真では大きさがわかりませんが、発見された個体は体長が60cmもあったそうです。この生物の生態はあまりわかっていませんが、後方にある帆のような部位が移動を助けている可能性があります。

他にも、チューリップのような海綿など、魅力的な深海生物が多数発見されています。

まるでチューリップのようなヒアロネマ属の海綿
Photo: DeepCCZ expedition, Gordon & Betty Moore Foundation & NOAA
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新種のサンゴ

ロンドン自然史博物館の生物学者で、論文の著者であるグアダルペ・ブリビエスカ=コントレラス氏は、「約150年前にHMSチャレンジャー号がこの海域を探索しましたが、私の知る限り、それ以降ほとんど調査が行われていません」と述べています。

今回の調査で発見されたクリソゴルギア属の新種のサンゴ
Photo: DeepCCZ expedition, Gordon & Betty Moore Foundation & NOAA

今回発見された新種の可能性のある生物の中で彼女が注目しているのは、クリソゴルギア属のサンゴの一種です。この淡いオレンジ色のサンゴは、大西洋に生息するサンゴ(学名:Chrysogorgia abludo)によく似ていますが、調査によって新種であることが判明しました。この種にはまだ名前はつけられていませんが、同属のサンゴが太平洋で発見されたのは今回が初めてです。

「当初は同じ種だと考えていましたが、分子生物学的な調査を進めた結果、形態的に異なることがわかりました。私がいつも驚かされるのは、私たちが目にするこれらの生命体の多くが、何百万年という時間の経過の中であまり変化していないことです。これらの種の多くは、私たちが化石として見てきたものと今も全く同じ姿をしています」

深海生物は非常に過酷な環境で生き残るため、それぞれがユニークな適応をしています。

「深海ような場所に生息することは本来困難なことなのです。(深海には)強い水圧があり、光は届かず、利用できる栄養もほとんどありません」

新種の可能性のあるPsychronaetes科のナマコ
Photo: DeepCCZ expedition, Gordon & Betty Moore Foundation & NOAA

深海生態系の保全

これまで、こうした深海生物の多くはわずかな写真や動画を見るか、化石化した個体でしか見ることができませんでした。しかし、今回の調査によって研究者たちはより有益な生物標本を手にすることができたのです。これにより、これまで手つかずだった深海の生態系をよりよく理解することができると期待されています。

現在、世界では深海鉱業が拡大し続けており、この地も採掘の対象となる可能性があります。しかし、そうした活動はこの海域に住む深海生物に何らかの影響を与える可能性があるのです。

「この深海の生態系を理解することで、保全のための計画を立てることができます。現時点では、この環境とそこに住む生物種に関する情報はわずかであり、採掘がどれほどの損害を与えるかを知ることを困難にしています


reference: ‘Gummy squirrel’ found in deep-sea abyss looks like a stretchy half-peeled banana | Live SciencePsychropotes longicauda – Wikipedia

人類は深海の生態系まで壊してしまうかもしれないんじゃな

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