ニュージーランドのクライストチャーチに住む9歳の少年、バーナビー・ドミガン君が自宅の裏庭で遊んでいたところ、近くの川の底に何かがゆらゆらと揺れているのに気が付きました。木の枝で拾い上げてみると、それは体長90cmもある死んだミミズだったのです。
巨大なミミズ

バーナビー君は取材に対し、「自分の目が信じられませんでした。とても大きくて驚きましたが、ちょっと気持ち悪いとも思いました」とコメントし、あのミミズには『デッド・フレッド』という名前を付けたと言っています。
母親のジョーさんは「息子はミミズを見つけてとても喜んでいた」と言いますが、本人はあのミミズは肥大化していて気持ち悪いと思ったそうです。
「ありがたいことに、あのミミズが見つかったとき私は仕事中でした。過去に何度か大きなミミズが出たことがありますが、あのミミズにはかないません。とんでもない奴です」
ドミガン家の庭で発見されたミミズの正確な種は確認されていません。なぜなら、バーナビー君が冒頭の記念写真を撮った後、元の場所に戻してもう一度見に行くとすでにいなくなっていたからです。
「ビニール袋に入れて保管するようお父さんを説得しましたが、賛成してくれませんでした。大人は家の中に巨大ミミズがいることをあまり喜ばないから。もし僕が大人だったら、きっとそう感じると思います」
ミミズはニュージーランド在来種?
ニュージーランドにあるリンカーン大学で昆虫関連のキュレーターを務めているジョン・マリス氏は、ドミガン家のミミズはニュージーランドの在来種である可能性が高いと述べています。「在来種のミミズには非常に大きなものが知られており、1メートルというのは常識の範囲を超えていません」
それでも、通常巨大ミミズは森林のような人の手が入っていない場所に生息しているため、庭で発見されるのは珍しいとのことです。ニュージーランド国内には200種以上のミミズが生息していますが、その中で最大の種はノースオークランドミミズ(学名:Anisochaeta gigantea)で、体長は1.5mに達します。
このミミズはニュージーランド北島に生息していますが十分な情報が得られておらず、IUCNレッドリストでも「データ不足」とされています。しかし、判明している驚くような特徴があります。

このミミズは生物発光し、その光は夜間に新聞を読むのに十分なほどの明るさがあるそうです。この発光は、ブラウン・キーウィのような夜行性の捕食者に対する防衛手段である可能性があります。原住民であるマオリ族は、この発光するミミズを餌やルアーとして伝統的に利用してきたそうです。

世界最大のミミズ
しかし、世界ではもっと巨大なミミズが確認されています。南アフリカに生息するギネス認定の世界最長記録を持つミクロカエトゥス・ラピ(学名:Microchaetus rappi)というミミズは、通常は体長1.8mほどですが、1967年に確認された最長の個体は体長6.7m、直径20mmもあったそうです。

Photo: ALASTAIR POTTS
他にもオーストラリアに生息するメガスコリデス・アウストラリス(学名:Megascolides australis、英語でgiant gippsland earthworm)は、最大で体長3メートルに達します。ただし、このミミズは体がとても伸びるので、持って測ればこれ以上になる場合もあります。
ไส้เดือน ยักษ์!! Giant Gippsland Earthworm https://t.co/QPCMZJpEO6 pic.twitter.com/E3OKWaHiTB
— Brian (@brian_the_lover) February 11, 2014
こちらはエクアドルに生息するマルティオドリルス・クラッスス(学名:Martiodrilus crassus)という種で、直訳すると「犬を餌にするミミズ」という名前だそうです。
南極大陸を除くすべての大陸の湿った土壌には7,000種以上のミミズが生息しています。体長の大小にかかわらず、ミミズは地中における重要な有機物の分解者であり、地面に穴を空けて通気性を上げ、栄養分を再利用することで土壌の健康状態を改善する重要な役割を果たしているのです。
reference: Nine-Year-Old Finds a Three-Foot-Long Earthworm in His Backyard | Smart News| Smithsonian Magazine、Worms of the world: The huge, the weird and the ones in NZ that light up the night | Stuff.co.nz

庭にこんなのがいたら、ワシは腰が抜けてしまうぞぃ
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