カナダのオンタリオ州に住む少女は、虫が好きなために他の子にからかわれていました。そこで、彼女の母親はカナダ昆虫学会に一通のメールを送ります。
これがきっかけとなり、Twitter上で多くの昆虫学者や少女たちが#BugsR4Girlsというハッシュタグを付けて自身の虫への愛をツイートし、「虫好きは変じゃない」というメッセージを発信するようになりました。
これに励まされた彼女は、虫好きな自分を肯定できるようになります。そして、彼女の体験談は後に絵本として出版されることになったのです。
虫好きな少女

ソフィア・スペンサーは幼稚園の頃、虫が好きなことで友達から人気がありました。しかし、小学校1年生になると状況が一変します。
周りのクラスメイトたちは彼女の虫好きをからかうようになり、彼女が学校に持っていったバッタは叩き落とされ、踏みつけられました。
そうして彼女は虫好きをやめ、二度と学校に虫を持っていくことはなくなったのです。
そんな彼女を見た母親はカナダ昆虫学会にメールを送り、「昆虫学者の皆さんから彼女の昆虫愛を励ましてほしい」と頼みました。
すぐに昆虫学の博士課程だったモーガン・ジャクソンから返事があり、そこには「手紙をネットに乗せて他の昆虫学者たちにも読んでもらいたい」と書かれていました。
ソフィアと母親が了承すると、モーガンはTwitterに母親の手紙とともに「虫好きな少女へ何かアドバイスをして欲しい」とツイートしました。
すると、すぐに世界中から多くのメッセージが寄せられ、昆虫学者は自身の仕事について説明し、ある女性は自身の虫への愛を写真とともにツイートしました。
Staff at @desertmuseum know #BugsR4Girls! We make Jewel Beetles shiiiiiine. @SciBugs #facebugs #mydesertmuseum #STEMinist #women4sci pic.twitter.com/OAhDZNLGjY
— Catherine Bartlett (@catbartlett1) July 21, 2017
#BugsR4Girls including this one who adores them! pic.twitter.com/IYPoHut3wJ
— Jessica Rosenberg (@JessLRosenberg) September 17, 2017
When I started my research, I was completely arachnophobic! Now I appreciate spiders for their amazing venoms and evolution! #bugsR4girls pic.twitter.com/1Ix0fXLxhi
— Dr Samantha Nixon (@SamNScience) June 30, 2017
#bugsr4girls pic.twitter.com/d81l7l0q1L
— Braden Evans (@leftomology) September 14, 2017
Now that I've read Sophia's story (https://t.co/vGgLq1iLdt) I'm resharing this pic of my daughter w/ our summer bug collection. #BugsR4Girls pic.twitter.com/WWnHwFPUei
— Jamie Vernon 🇺🇸🔬🧬⚾️ (@JLVernonPhD) September 20, 2017
彼女の物語は絵本になる

#BugsR4Girlsハッシュタグの運動はネット上で話題となり、ソフィアと母親は様々なインタビューに応じ、テレビにも出演することになったのです。
モーガンはソフィアにこの運動をまとめた論文の手伝いを頼み、二人の共著としてアメリカ昆虫学会へ投稿することになりました。
自信を取り戻した彼女はまた虫が好きになり、自身を「Bug Girl(虫ガール)」と紹介するようになります。
ソフィアの物語は絵本となり、現在では日本語訳も出版されています。
ちいさな頃から虫が大好きなソフィア。
幼稚園の間は人気者でしたが、小学校に入ると、
虫が好きなことが原因でいじめにあうように…。すっかり落ち込んでしまい、「虫をお休みする」と
言うソフィアを見かねたお母さんが、ソフィアをはげまそうと
昆虫学者のグループに1通のメールを出しました。すると、世界中の昆虫学者から、ソフィアにぞくぞくとメッセージが!
虫が好きな人が世界にたくさんいること、
さらに女性の研究者もたくさんいることに勇気づけられたソフィア。「虫を好きだっていいんだ!」
多くの人の励ましで、自信を取り戻したソフィアの実話。巻末には、ソフィア自身による「虫の本」も収録されています。
虫ガール – 株式会社岩崎書店 このサイトは、子どもの本の岩崎書店のサイトです。 (iwasakishoten.co.jp)
テレビでのインタビュー

ここからは、ソフィア・スペンサーがテレビに出演した際のインタビューを抜粋してご紹介します。
Q.あなたはなぜ虫が好きなのですか?
よく聞かれる質問ですね。それは、虫が独自の生態系を持っているからだと思います。虫たちは自分たちの世界、つまり、小さな宇宙を作っているようなものなんです。
Q.あなたの物語は、あなたが初めて昆虫に恋したときから始まります。その話を聞かせてください。
2歳半のとき、ナイアガラの滝にある蝶の博物館に行ったんです。そこに入ると、すぐに青い蝶が私の肩にとまったんです。蝶は私の顔の上を動き回って離れませんでした。私がそこにいる間、ずっと私の上にいたんです。そして、私が帰るときその蝶は持ち帰れないから警備員がそれを取ってくれたの。
Q.ソフィアさんが幼稚園に通い始めた頃、最初は虫への愛を共有できるクラスメートがいたそうですね。幼稚園ではどのような反応だったのでしょうか?
幼稚園の頃はみんな昆虫が大好きでしたね。虫を見つけたら、「ソフィア、この虫は何?」って聞かれて、私はたいていそれが何の虫か知っていました。
今でも幼稚園の頃の友達が何人かいますが、彼らは「(小学校の)子どもたちがあんなことをするなんて信じられない」と言っています。それに、「虫を好きになるなんてすごいね」って。そしたら私は、「ありがとう!」って言うんです。
Q.(転機になったのは)小学校1年生のときに転校したことですね。小学校の子どもたちはどうだったんですか?
転校先の学校の子どもたちは、私が変わっていることが気に入らなかったようです。私が家から虫を持ち込むと、肩の上に叩きつけて殺してしまうんです。だから、私は本当に動揺して、本当に悲しくて、打ちのめされたような気持ちになったんです。
Q.それがきっかけで、ある時点で虫に興味を持つことをあきらめようと思ったんですね?
そうですね。虫の道具や虫取り網をすべて片付けました。それに家にいた虫はすべて手放しました。友達が欲しかったから、あきらめたんです。
友達がいても、自分の情熱を傾けられないのなら、それをあきらめる覚悟はできていました。
Q.その結果、どうなったのですか?子供たちはあなたをいじめるのをやめて、あなたと友達になったのでしょうか?
いいえ、そうでもありません。彼らは、私がまだ虫を好きなことは知っていて、それが見せかけであることも知っていました。だから、まだ嫌われていたんです。
Q.お母さんが昆虫学会にメールを書いたとき、あまり反響がないと思いましたか?
お母さんはメールを書いたことを私に言わなかったんです。私の期待を裏切るようなことはしたくなかったようです。
Q.それで、どうなったんですか?
そうですね、それは大反響だったそうです。虫を好きな人がたくさんいたんです。それで、私は自分の好きなことをやり続けるべきだと思いました。
アマゾンで虫の研究をしている女性たちが、幼少期に同じような経験をしたとメールをくれたんです。

Q.学校では他の子どもたちにも話したのですか?あなたが一種のスターになりつつあることを、彼らは知っていたのでしょうか?
そうですね、その時は別の学校に通っていました。1年生のときにまた転校したんです。そこの子どもたちはとてもいい子たちでした。私をたくさん励ましてくれたんです。
Q.そして、あなたの体験が『The Bug Girl』という絵本になりました。本を見たときは、どのように思われましたか?
最初に読んだとき、とにかくすごい本だと思いました。とてもクールだと思いました。ストーリーがとてもよく表現されていますね。
Q.あなたは大きくなったら何になりたいと考えていますか?
昆虫学者になりたい。いろいろな環境の虫を研究する大人になりたいです。
reference: She was bullied for her love of bugs. Now, this 11-year-old has written a picture book about it | CBC Radio、Sophia Spencer, 8-Year-Old Girl Bullied for Love of Bugs, Gets Published in Scientific Journal (redbookmag.com)、Bullied girl goes viral, proves bugs aren’t just boy stuff (today.com)

このまま昆虫学者を目指して頑張って欲しいぞぃ
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