クズリは別名「デビルベア(悪魔の熊)」や「ウッドデビル(木の悪魔)」などと呼ばれ、クズリの絵や剥製の多くは威嚇するようなポーズをとっています。
この美しい動物のどこが人間にこのような反応を起こさせるのでしょうか?
クズリは北アメリカとユーラシア大陸北部、北半球の北方地帯に生息するイタチ科の動物です。
成体のクズリは中型犬程度の大きさで、体長は65~113cmほど、雄の体重は11~28kg、雌は7~19kgほどです。
まずはこれから母親になろうと準備するクズリの様子を見てみましょう。

「彼女(フレイヤ)は小熊のように見えますが、実は巨大なイタチです」


「狡猾で機敏な彼女は、ほとんどの時間を縄張りの中でトナカイやヘラジカの残骸を探すことに費やしています」

「今日ではフィンランドに生息するクズリは300頭以下になっており、フレイアの生活もギリギリです」

「気候変動が彼女の生息地を脅かしています」

「そして冷酷なハンターというグズリの評判は、人間からの迫害につながっています」
※補足:クズリは家畜を襲う動物として狩りの対象になってきました。

「学名の”gulo gulo”はラテン語で大食漢という意味です。しかし、彼女の食べ物への探求心は欲に駆られたものではありません」

「3歳のフレイヤは母親になる準備ができています。しかし、彼女は冬を越すのに十分な食料を蓄えていなければ、子供を産むことができません」


「7月になりました。雪が降る前の3ヶ月間、彼女は栄養価の高いものはほとんど何でも食べます」

「切り株は昆虫や幼虫の住処です」

「彼女は普通ではわからないような場所に埋められた食べ物の匂いも嗅ぎ取ることができます」

「そして、彼女は自分の体重の倍の重さの岩を持ち上げるほどの力があり、その岩を隠れ場所として利用するほどの知恵があります」

「今食べないものは、次の日のために蓄えておきます」

クズリも母親になるために必死に生きているんじゃな
人間から恐れられるクズリ

人間は理解できないもの、コントロールできないものを恐れることが多いですが、クズリはその両方に当てはまります。
クズリの強さ、耐久力、勇敢さは伝説となっており、クズリにまつわる伝説のひとつに「どんなものにでも襲ってくる」というものがあります。
実際、餌をめぐってツキノワグマやオオカミを襲うことが知られています。
湾曲した長い爪は引っ込むことがなく、大きな歯と強力な顎を持っており、これらの組み合わせにより、クズリは死んだ動物やしばしば凍った動物を引き裂いて食べることができます。
こうした見た目や行動から、クズリは人間や小屋までも襲撃するような誇張されたイメージが定着していったようです。

一方、カナダ北部の先住民族の文化では、クズリは非常に強力な精霊であると考えられていました。
アラスカのアサバスカン族は、クズリの強さと粘り強さを称賛しており、アサバスカン族の中にはクズリの歯を赤ちゃん用の籠のお守りとして使用している部族もあります。
また、北カリフォルニアのいくつかの部族ではクズリは幸運の動物と考えられています。
クズリはギャンブルで成功したという伝説があり、クズリを見ることは幸運が訪れることを意味しています。

人目に触れることが少ないにも関わらず人間に色々な伝説を残しているんじゃ
それだけ強烈な印象があったということじゃな
参考:The Wolverine (explorenorth.com)、Native American Indian Wolverine Legends, Meaning and Symbolism from the Myths of Many Tribes (native-languages.org)
メガネフクロウ教授の付け足しメモ

クズリは英語でウルヴァリンと呼ばれておるぞ
名前の通り、X-メンのウルヴァリンのモデルで、長い爪なんかはイメージ通りじゃな
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